
長編
自己像幻視~三人の私~
えい 2018年3月27日
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これは私が24歳の頃の話です。
当時 私は結婚をし 男の子を出産して 育児に追われる忙しい日々を過ごしていました。
子供が寝てる間に 掃除と洗濯を済まし ゴミ出しの日は ダッシュで行ってました。
そんな毎日を過ごしていたら ある日 姑が何の連絡も無く家に来て言うのです。
姑 「あなた 昨日 ○○○に 居たでしょ⁉ K ( 息子 ) を連れて無かったけど どうしてたの ?! 」
と 少し 怒っている口調で言われました。
しかし…… まだ 幼い乳飲み子の世話で忙しい私は 買い物をする時は 必ず 主人が居る時に一緒に行く様にしていたので 頭には ( ? ) マークが浮かびました。
私が お茶を淹れ 姑に出してから 言いました。
私 「昨日は一日 家にいましたけど…?」
姑 「そんな事無いわよ あなただったの。 声を掛けたのに 振り向きもしないで…。」
私 「いえ。本当に私出掛けてませんよ?」
姑 「派手な服着てたでしょ?」
派手な服と言われても 私は 明るい色の服は 当時 持っていなかったし 肌を露出する様な服も持っていませんでした。
単に 姑の見間違いなんじゃないか?と思いましたが 話が拗れそうだったので 何時頃の事かを尋ねました。
私 「お義母さん それって何時頃でした?」
姑 「私が農作業終わらせた後だから…15時過ぎぐらいかしら?」
私 「15時頃 私 ここで洗濯物を畳んでいましたよ?あっ‼ その頃 隣の方から 回覧板を貰っていたから 聞かれてみて下さい。」
そう言うと 半信半疑な顔をしながら 隣の奥さんに 確かめに行きました。
数分後 姑が帰って来ました。
どうやら 隣の奥さんにも 私が○○○に居た話をしていたみたいです。
姑 「じゃあ私が見たのは 誰だったのかしら?」
私 「他人のそら似とかでは無いですか?」
姑 「でも 確かにあなただったのよ?」
その時は 隣の奥さんの証言で 姑も疑いながらも信じてくれて 息子をあやしてから 帰りました。
そんな事があったのを 忘れたぐらいの時 今度は知人から 電話が掛かって来ました。
知人 「あれ?家に居るね?」
私 「はいぃ?どうしたの?」
知人 「いやぁ…今 ××駅に居るんだけど 電車に乗ってたよね?」
私 「?ううん…ずっと 家に居たけど…?」
知人 「だよねぇ…。」
私 「何があったの?」
知人 「いやぁ…今日 ちょっと○○に用事あってさぁ…出掛けて帰りの電車内で 見掛けたからさぁ…何処行ったのかなぁ?って思って…。」
私 「最近 電車に乗って無いけど…てか 乗る暇無いし…。」
知人 「だよねぇ?でも そっくりだったんだよねぇ~。」
そう言えば 以前も姑に同じような事言われたなぁ…と思い出して
私 「そう言えば 少し前に 姑に○○○に居なかったか?って言われた事あったけど…私 行ってなかったんだよねぇ~。」
知人 「それって ⁉ ドッペルじゃないの?」
私 「ドッペルって( 苦笑 ) 私 そこまで疲れてないし ○○○に行きたいなんて思わなかったよ?」
知人 「無意識とか?だってそっくりだったよ?髪の色も 背の高さも…見間違いじゃないと思うよ?」
私 「姑と今 知人が見た 私もどきは 同一かなぁ?」
知人 「そこは分からないけど……あぁあっ ‼ 」
私 「何 ⁉ ビックリしたじゃん !! 」
知人 「ドッペルって……何か都市伝説無かったっけ?自分とそっくりな自分と出会ったら 死ぬとか……?」
私 「はぁあ……そんな事無いと思うけど…?」
知人 「怖っ⁉ まぁまた見たら 声掛けて見るわ(笑) 」
私 「そうしてみて(笑)」
それから 息子の話を少しして 電話を切りました。
その時は 不思議な事もあるものだと 余り深刻には 考えていませんでした。
叔母から 何も連絡無かったので…( 危機が迫っているなら 連絡あるので。 )
それから 息子もすくすくと育ち そんなドッペルもどきの話が記憶から 消え失せた頃 仕事で地方に行っていた 主人から電話がありました。
夫 「もしもし…?」
私 「どうしたの?」
夫 「うん。お前 家に居るよな?」
私 「当たり前でしょ?固定電話に出てるんだから !?」
夫 「だよなぁ…。」
私 「どうしたの?」
夫 「いや…こっちでバスに乗り込むお前を見掛けたんだよ。だから 俺のアパートに行ったのかと思って仕事が終わって 速攻でアパートに帰って来たんだけど…居なかったから…。」
私 「(笑) 会いたくなったとか?幻でも見たんじゃないの?」
夫 「いや…絶対 お前だった ‼ いつも使ってる息子を抱く紐?あれして息子を抱いてたんだから !! そもそも 俺がお前を見間違う訳が無い ‼ 」
そんな話をしていたら インターフォンが鳴ったから 夫に 「ちょっと待ってて。」と言って 玄関を開けると 鬼の様な顔をした 母親が息を切らしながら立っていた。
私 「何 ⁉ どうしたの?何かあったの ⁉ 」
母親の姿を見て何かあったのかと 思ってそう言うと 母親は 息を整えつつ言った。
母親 「あんたっ‼ 息子を放ったらかしにして 夫君が居ないからって !! 男と遊んでるってどういう神経してんのっ‼ 」
私 「………………………いつ?」
母親 「今よ 今 !! 」
私 「いや…今 夫と電話で話してた途中だけど…?」
母親 「嘘いわない ‼ 私の顔を見て すぐに男に送って貰ったんでしょ?」
話をしても 押し問答が続く気がして 母親を家に上げ 受話器を差し出した。
母親 「もしもし…?」
半信半疑で受話器を握り 呼び掛けると 何やら二人で話をしていました。
私は 息子が泣いて 寝室に行ったので 二人が何を話したのか?分かりません。
そうして 一段落着いたかな?と一息吐いた時 友人の車のエンジン音( 当時 暴走族 )がしたと思ったら バタバタと二、三人の足音がして 家のピンポンが嵐の様に…。( 息子の事が飛ぶくらい 驚いたそうです。 )
私は 玄関にすっ飛んで行くと ドアを開けながら
叫んでいました。
私 「やかましいわ ‼ 」
すると 鳩が豆鉄砲食らった様な顔をした 三人が立っていた。
もう 話を聞かなくても 何があったのか?が分かってしまったので 何も言わず 家に上げた。
母親も何となく分かった様でした。
ギャン泣きする息子の元へ 行き抱っこして リビングに行くと チラチラと私を見ながら 四人でコソコソと何かを話していました。
私もどきが出現した場所。
母親目撃場所 → 地元のショッピングモール。
主人目撃場所 → 静岡県某市。
友人目撃場所 → 隣町のゲーセン。
大体 時間は同じくらいでした。
同じ時間 別々の場所で目撃された私もどき。
これを 自己像幻視と言わず 何と言う?
そんな出来事を頭の隅に起きながら 久しぶりにT子( ママ友 )と喫茶店に行きました。
喫茶店のドアを開け中に入り 正面を向いたら 私が居ました。
相手も驚いていました。
私もビックリして 固まりました。
相手の彼氏?もT子も驚いていました。
喫茶店の入り口で 固まる四人…。
店員さんが来て 店員さんも固まった。
鏡を見てる様だった。髪の色 ( 当時 茶髪 )も髪型も背の高さも 何もかもが同じでした。
でも 何か親近感が異常にわき上がり 帰りかけた彼等を 引っ張って 同席させ 色々聞いた。
出生場所 誕生日 身長 服の好み 好きな食べ物 嫌いな食べ物 好きな動物 が 全く同じでした。
気持ち悪くなるぐらい そっくりな その人は 香織さん( 仮名 )という名前でした。
驚く事に 私の主人と香織さんの彼氏は同い年でした。
世の中には 自分に似た人が いったい 何人居るのでしょうか?
因みに 自分とそっくりな人に会うと 「 死ぬ 」というのは 迷信ですかね?
私は 生きてますし……。
なんか長くなった気がします。
怖くないかもですが……テレビでドッペル系の話が出ていて 私が体験した事を思い出したので 投稿してみました。m(__)m
後日談:
- ドッペルを自己像幻視というんです。紛らわしくてすみません。m(__)m
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