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中編
マネキン
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マネキン

2018年6月6日
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これは僕が中学生だった頃の話です。

当時は元号が昭和から平成に変わったばかりで、まだ携帯すら無いような時代でした。

お恥ずかしい話ですが、その頃の僕は荒れていました。

その日も中学校に行く気になれなかった僕は、学校とは反対方向にある小さなデパートに向かっていました。

親には「学校に行く」と言って家を出てるので、学校が終わる時間までは家に帰るわけにはいきません。

かといって、平日の昼間に学生服姿でウロウロするわけにもいかないので、デパートに着くとすぐにトイレに向かいました。

そして個室に入り、隠し持ってきたゲームボーイ(当時、主流だった携帯ゲーム機)をやり始めました。

「もしかしたら今ごろ、学校から家に連絡が行って大騒ぎになってるかもしれないな・・」

そんなことを思いながらゲームボーイをプレイしていると、突然激しい睡魔に襲われました。

夜はいつも通りに寝たので睡眠不足でもないのに、頭がクラクラするほどの睡魔でした。

そのまま気を失い、気がついたら辺りは真っ暗でした。

慌てて手元の腕時計を見ると、そのデパートの閉店時間である19時をとっくに回っていました。

デパートはすでに閉店していて、売り場の明かりもトイレの明かりも消されていて真っ暗だったのです。

僕はほぼ開店と同時に入店したので、10時間近くトイレに居たことになります。

驚いてトイレから飛び出すと、視界の中に複数のマネキンが入ってきました。

「そういえばここは洋服売り場だったっけ。夜のマネキンって不気味だな・・」

そんなことを考えながら、僕は歩き始めました。

通常の出入り口はもちろん閉まっていましたから、とにかく外へ出れる所を探さないといけません。

まだ少しクラクラする頭を押さえながら、店内を彷徨っていました。

その時です。

『フフフフフフフフフフッ』

不意に背後から甲高い笑い声が聞こえました。

辺りを見回しましたが、笑い声はするのに人の気配はしません。

しかもその笑い声はどんどん増えていき、四方八方から聞こえていました。

そして気付いてしまったのです。

目の前にあるマネキンの目玉だけが、こっちを向いてギョロッと睨んでいるのを。

それだけではありません。

マネキンの口元が不気味に笑っていました。

「この笑い声は・・マネキン!?」

僕はとっさにその場から逃げ出し、全速力で走りました。

両手で耳を押さえていても、笑い声はずっと背後から聞こえていました。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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