
短編
神社の縁日で
匿名 2日前
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俺が小学生の頃の話。
小学校高学年で、ぼっちだった俺は一人で縁日に行っていた。
一人でも、射的やスピードクジをしたり、たこ焼きやかき氷を食べたり十分楽しめた。
神社の奥側を歩いていたときのことである。
ラムネやジュースなどを売っている店があった。
俺は「ラムネなら100円か200円くらいだろう」と思って、
「ラムネください!」
と店のおじさんに声をかけた。
するとおじさんはラムネを開け
「はい。500円ね!」
「え?」
「500円だよ!」
おじさんはきつめに言った。よく見ると、タンクトップで腕が筋肉質のイカつそうなおじさんだった。
おじさんがこわそうなのと、もうラムネの瓶はおじさんが開けてしまったので俺は500円を払ってしまった。
店には値段が分かるような看板やメニュー表示などは全くなかった。
しばらく他のところを見たあと、さっきの店の前を通りかかると
家族連れがビールとかジュースやラムネを何本も買っていた。
俺は、「高くつくぞ!そしたら店のおじさんと喧嘩でもするのかな?」と不謹慎にも思いながら見ていた。
すると、合計は1000円程度だった。コンビニで買うよりも少し高いくらいの金額。
さっきみたいに1本500円なら3000円以上はしそうなのに。
俺は納得いかないながらも、その場を後にした。
こういうお店って領収書や防犯カメラなどがある訳もなく、誰かに訴えたところでおじさんが「○○円で売りましたよ。」と言ってしまえば終わりだ。俺は納得いかないながらも泣き寝入りするしかなかった。
・・・
数年後、俺が二十歳になった年のことだ。
縁日の日、夜の8時頃から急な雷雨に見舞われた。
その頃、俺は家にいた。
雷鳴が鳴り響き、縁日に来た客もどんどん帰っていったようだ。
そして、近くで大きな雷の音がした。
雷が落ちるのは珍しくもないが、なぜかそのときだけは外が騒がしかった。
なんと神社の巨木に雷が落ち、その下で店を営んでいた中年男性が死亡したらしい。
そして、その男性はラムネを500円で売りつけたおじさんだった。
おじさんが他の子にもぼったくりをしていたのかは定かではないが、もしかしてバチが当たったのではないかと思ってしまう。
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- 髪は神様より大事にしなさいたか
- 他にも被害に遭った子が沢山いて、その報いなのかもね。数年後ってのは、あくまで筆者視点で。以下、同意!
- 神様の感覚だと数年って人間の数時間ぐらいだから、直ぐ処置してくれたんだと思う噺と関係なくてごめん