
この話は私が冬の札幌のビジネス街で、仕事の合間に後輩とカフェで過ごしていた時に聞いた話だ。
私が出張で訪れてから、すでに数週間が経っていた。仕事の合間に後輩である佐藤と一緒に食事をしながら、彼の体験談を聞くことになった。
「最近、何か面白いことあった?」
「いえ、あまり。仕事ばかりで…」
「そうか、頑張ってるな。ところで、心霊的な話題ってどう思う?」
「心霊ですか?興味はありますが、あまり信じてはいません。」
佐藤はニヤリと笑いながら話を続けた。「実は、少し不思議な体験をしたことがあるんです。」
彼の話によると、数年前、彼の祖父が亡くなった後、自宅で妙な現象が起き始めたという。物が勝手に動いたり、夜中に不気味な声が聞こえたり…。最初はただの気のせいだと思っていたが、日に日にその現象は増えていった。
「ある日、友人に相談したら、霊的なことに詳しい人に話を聞いてみたらどうかと勧められました。そこで、霊能力者にお願いして、祖父の霊を呼び寄せてもらいました。」
「祖父は、私を見て笑いながら、『お前はどうだ?』と聞いてきました。何を言えばいいのか分からず、ただ元気だと言ったんです。」
「その後、何も変わらなかったのに、ある日突然、現象が酷くなったんです。そこでまた霊能力者にお願いして、再度祖父を呼びました。その時、私が『介護が大変だった』と本当の気持ちを話すと、祖父は笑い出したんです。」
その言葉を聞いた私は、思わず身震いした。祖父の霊が満足そうに笑う姿が目に浮かび、心のどこかで「そんなことを言ってしまったのか」と胸が締め付けられる思いだった。
「その後はどうなったんですか?」と尋ねると、佐藤は目を伏せた。
「それから家族に不幸が続いて、なんだか良くないことばかりが起きてる。これも偶然かもしれないけど、祖父が私に何かを伝えたかったのかもしれない。」
私はその言葉の重みを感じながら、外の雪が静かに降る様子を見ていた。しばらくして、佐藤は話を締めくくった。「そういえば、最近、祖父の話をした友人が病気になったと聞いたんです。」
その瞬間、私は背筋が凍るような感覚に襲われた。
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