
私が30代の半ばのこと、友人に誘われて山奥の古いカフェに行くことになった。静かな場所で、周りは雪に覆われている。
そのカフェは、昔からあるレコードプレーヤーが自慢で、音楽が流れると懐かしい気持ちになった。店員の彼女は高校生で、明るくて可愛らしい笑顔を見せてくれる。いつも忙しそうに動き回っているが、私にだけは特別に話しかけてくれる。
ある日、彼女がカフェの裏にある倉庫を掃除しているとき、ふとした拍子にレコードが落ちてしまった。暗い倉庫の中で、手探りでレコードを探していると、背後に冷たい感触を覚えた。何かが、私の肩を優しく叩いたのだ。
驚いて振り向くと、そこには薄暗い影が立っていた。顔は見えないが、何かを訴えるように手を差し出していた。恐怖が心を締め付け、私は即座にその場を離れた。彼女にはその影が見えないようで、私が怯えていることに気づかない様子だった。
その後、彼女と話す時間が増えていくにつれ、影が現れる頻度も増していった。カフェの外に出るたび、暗いところで不気味な笑い声が聞こえる気がして、私は日々の生活が辛くなっていった。彼女と一緒にいるときはその影を忘れられるが、夜になると恐怖が襲ってきた。
彼女が私のために手作りのクリスマスプレゼントを用意してくれると言った日、私は思わず冷たい言葉を投げかけてしまった。「そんなもので私の気持ちが変わるわけないだろう。」彼女は驚いた表情を浮かべ、悲しそうに「わかった、じゃあ本当にあなたが望むものを用意するね」と言った。彼女が去ってから、私は後悔の念に駆られたが、暗闇の恐怖に押しつぶされそうになっていた。
その夜、彼女は現れなかった。暗い部屋で孤独を感じ、恐怖が私を包み込んだ。次の日の朝、カフェに行くと、彼女が待っていた。しかし、彼女の目はどこか虚ろで、笑顔が消えていた。テーブルには、彼女が用意したプレゼントの手紙が置かれていた。
『あなたが大切な人を失っても、私があなたのそばにいる意味を見つけたよ。大好きなあなたへ。』
その手紙を読み終えると、背後から冷たい風が吹き抜け、暗い影が私を取り囲む。私は気づいた。彼女は私を守るために、代償を払ったのだと。彼女の笑顔は、私の恐怖と引き換えに消えてしまったのだ。
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