
長編
祖母の家で見た怪異2
匿名 3日前
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カチ、カチカチ、、、。
しまいにはカチカチ、カチカチという音に合わせて柱や襖がカタッ、カタッと振動している感覚さえします。
「ん?この音、時計か?」
「もっとハッキリ聞こえる気がする」
気になって仕方がないKくんは音の出処を探すように薄ら目を開けました。
この仏間は北に窓があるんですが、雨戸も閉めてしまっているので明かりはなく、部屋は真っ暗です。
「隣(西側)の和室の方から音が聞こえる気がする」
と思い、身体の向きを変えようとして、自分が金縛りにあっていることに気づきました!
「あれ、身体が動かない」
Kくんはこれまでも金縛りにあうことがあったり、心霊体験も何度かしていたので、冷静でした。
「またかぁ、風邪で疲れてたからかなぁ」
「やだなぁ」
金縛りに慣れているとはいえ、これまでも金縛りにあうと怖い体験をしていたので、やはり恐怖はあります。
首もろくに回らない中、目玉をぎょろりと動かして、部屋を見回します。
ひとまずのところ、特に異変はありません。
ただ、仏壇の方から音がする気がしてならないのです。
仏間は南側に廊下からの入口である襖、北側に窓、北西の角に東向きに仏壇があり、西側は隣の和室とを繋ぐ襖があります。
Kくんはこの時、東側の壁に沿うようにして布団を敷いて寝ていました。
「嫌だなぁ、なんだか気味が悪いなぁ」
とキョロキョロと目だけで音の出処を探します。
その間もずっと
カチコチ、カチコチ、、、。
カチカチ、カチカチカチ、、、 、、、。
と聞こえています。
「やっぱり、こんな所に時計なんて置いてないしなぁ」と金縛りの身体で下からゆっくりと仏壇を見上げていきます。
部屋の中は真っ暗闇ですが、それでも目が慣れてきたのか薄らとモノの輪郭を掴むことが出来ます。
「あ、あれが仏壇のカドだな」
それなりに背の高い仏壇です。
仏壇の扉も閉まっていますし、こんなところに時計があるはずもないので、確認に時間はかかりません。
見上げていくと奥の壁にある襖の欄間に視線が差し掛かりました。
カチコチ、カチコチ、、、。
カチカチカチ、カチカチ、、、 、、、。
気になる音に合わせてカタッ、カタッと振動しているのはどうやら襖のようです。
「欄間が震えてるのか?」
という考えが頭をよぎったその時!
自分の全身にブワーッと鳥肌が立つのを感じました!
とてつもないものを目にしてしまったのです
後日談:
- この話をKくんから聞いた時、自分もブワーッと鳥肌がたちました。 Kくんシリーズ、他にもありますのでまたUPします!
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- 井戸を埋める儀式をしなかったのか防空頭巾