壁を叩く人。 専門学校三年目の頃の話です。 その頃の私は学校が終わってからバイトを夜中２時までやり、 朝5時に起きて学校に向かうという生活をしていました。 また、私は感が良いと言うのか、 見えはしないけど霊的なものが近くにいると何となくわかる人でした。 そしていつも通りバイトが終わり、家に着き、 疲れていたので寝ようと、うとうとしていた所、 鞄のチャック部分が(ガチャガチャガチャガチャッ)っと10秒ぐらい激しく動く様な音がしました。 その時は、 疲れているから、聞き間違いか、気のせい気のせいと、自分に言い聞かせました。怖いから信じたくない、というのもあったとおもいます。 そしてまた、うとうとしていた所でまた、(ガチャガチャガチャガチャ)っと鞄のチャック部分が、、 金縛りとかはよくありましたし、音が(ラップ音的な音)聞こえるとかもよくありましたが慣れるものではありません、 流石にとても怖くなり、同級生の女の子に電話をかけました。 一通り事情を説明しました。 情けない事ですが、すごく怖くて怖くて仕方ないという事も伝え、しばらく話し相手になって欲しかったのですが、 その女の子は「もう、なんなの！こっちは一人暮らし、そんなの聴かされたらこっちまで怖くてしょうがないじゃんか！」 と、電話をきられてしましました。 いつもは自分の怖い思いをした体験を聞いてくれたのですが、 女の子の言い訳を聞けば、こちらの配慮がたりなかったなあと思い、怖い思いを我慢しながら夜を明かしました。 そして学校で、その女の子に会って夜の事を誤りつつ何が起こったのか詳しく話した所で、 「電話の後ろで壁叩いてる人いなかった？？大輔気がついてない様だったし、怖くなって電話切っちゃった、ごめんね」 って言われました。 もちろん私は壁を叩く音なんて聞こえませんでした。 気持ち悪くてしょうがなく、 家に居たくない気持ちが強くなってしまったので、 母親に昨夜の事を話しました。 すると母は「そっか、大輔には見えてないのね」と 「うちには随分前から壁を叩く男の人がいるのよ」 と言われました。 詳しく話を聞くと、 今の家に引っ越してから、母と弟は壁を叩く人を見る様になったそうです。 とくに危害を加えてくるわけでもないので、 怖がりな私には言わなかったそうです。 私はそもそも母や弟が(見える人)だったなんてそのとき知りました。