
短編
被差別地域の闇
匿名 2日前
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数年前のある時期、俺は夜中にサイクリングしていた
夜中の人通りの無さ、空いてる道路、スーッとした空気が好きやった
何時も通り、長距離を走りコンビニで栄養補給して帰ろかなーと思ったがもうちょい走ろうと思った
秋の心地良い満月の夜やった
何故か、その日は体力が有り余っていたw
が、その選択が間違いやった
坂を登り、ある町に辿り着いた
少ない街灯、独自の重く湿った空気、やたら多い小さな坂と小道
此処が「フツーの町ではない」とすぐに解った..
時刻は既にAM3:00
適当な所で折り返して、帰ろうと思った
小さな坂道に差し掛かった時、停車していた車(セダンっぽかった)のヘッドライトがバーンと突然着き、俺を照らした
(眩しいなー)と思いながら観ると、運転手と眼が合った
スキンヘッドの小太りなオッサン
明らかにフツーの人ではなかった
お互い、5秒くらい見合った後(暗いしなんか気持ち悪いし、もう帰ろう)とUターンして俺は走り出した
ブルルルル..
後ろからエンジン音がした
(まさか?)
イヤな予感は当たり、オッサンは俺の後を付けてきた
俺がカーブすれば車もカーブし、俺が速度を上げると向こうも速度を上げ、俺が減速するとゆっくり付いてくる..
(このオッサンの目的はなんや?)
振り返るとオッサンは無表情で冷たい眼付きでジッとこっちを見てる
その感情は全く読めない
(なんや、コイツ..)
結局10〜15分くらい付きまとわれた
暗いしその町の地理も知らんし焦ってきた頃、狭い小道を見つけた
自転車一台がギリギリ入るくらいのスペースで車は絶対にムリ
(ココや!ココしかない!!)
俺はカットインして一気にその小道に入った、丁度下り坂になっていた
キーッ バタン!
車の止まる音とドアを開ける音が後ろから聞こえた
俺は何故かその時(安心したからか?)笑いながら坂を下っていた
平地に出てダッシュでその町を離れ明け方自宅に辿り着いた
次の日、知り合いにその話をすると
「え!?アソコいったん?アソコは有名な被差別部●やで!なんでいったん!?もういったらアカンで!!」
と興奮気味に言われた
ぶっちゃけ、俺は全然知らんかったw
そしてあのオッサンの目的は?
なんか目的があって俺を拉致ろうとしていたんか?
それとも、ただのハードゲイか??
今でも理由は全然解らん
そして俺はそれ以降、夜中のサイクリングをやめた。
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