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長編

コックリさん(実話)

yu 2017年7月17日
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怖くないかもしれませんが、本当に実話です。 コックリさん。。。今はエンジェルさんとか呼び方が違うようですが、絶対に遊び半分にしない方がいいです。 あれは30年程前の中学生の時、コックリさんが噂になっていて、頻繁に聞く様になっていました。 幽霊とか信じてなく、霊感ゼロの自分は、どうせインチキだろうとか、嘘くさっ!と思っていましたが、興味があったので、コックリさんをやろうと同級生を誘いました。 親友のO君、B君、Y君、俺(M)とA君の男5人。 事前にやり方を聞いていた俺は、授業中に紙を書いた状態にしていて、5人で下校のチャイムが鳴り終わるのを待っていた。 先生の見回りに気をつけながら、4階の屋上に通じる階段の踊り場でこれから始まるコックリさんにドキドキして待っていた。 下校チャイムとアナウンスが終わり、踊り場の窓の外を見ると夕暮れになり、かなり暗くなりはじめてた。 B君「そろそろ大丈夫ちゃうか?」 俺「せやな、でも、見回りのせんこー(先生)来るかもしれんから、しずかにやろうぜ」とルール説明をしてコックリさんを始めた。 まずは、踊り場の窓を少しあけ、4人のメンバーを決める。 よくある10円玉でやる形ではなく、ボールペンでやった。 手で10円玉くらいのマルを作り、紙の上に手をもっていきボールペンを握らないように、ボールペンを立てる。 一番下は俺、その後にそれぞれが俺の手の上から重ねていく、O君、B君、Y君の順番。 「コックリさん、コックリさん、どうぞおいでください。もし、おいで頂いたら、「はい」の方にお進み下さい」 何度か呼び掛けをした頃に、ボールペンが動き出した。 俺「おお!勝手に動いてる!!すげー!」 O君「えー!ほんまに!?マジで動いてるん?」 Y君「えー?Mが動かしてるんちゃうんか?」とYだけ半信半疑。 俺「マジマジ!俺動かしてないもん!」などと言いながら、コックリさんが始まった。 当事中学生で、コックリさんに聞きたい話題は恋の話「○○が好きな人は誰ですか?」とか、「○○は付き合ってる人はいますか?」など、学年中の気になる子の質問をそれぞれが行った。 夢中で楽しんでいて気がつけば窓の外は真っ暗、 当然、照明も付いていない学校で21時近くになっていて、普通は怖い筈がコックリさんで盛り上がり夢中になっていて、夜の学校の怖さ、静けさを忘れる位だった。 急に「俺、そろそろ時間ヤバイから帰るわ」とコックリさんに参加しないで見ていたA君が帰った。 確かに、あまり遅くなると親も心配するかも?と考え、「コックリさん、コックリさん、そろそろお帰り下さい」と終了させようとした。 するとボールペンは、 「いいえ」 「え?どういう事???」「なんなん?」 本来はここで、「はい」となり紙をビリビリに破いて終了の筈が「はい」にならない。 「コックリさん、コックリさん、お帰り下さい」 「いいえ」 ヤバい!内心めっちゃ焦った! 「コックリさん、コックリさん、お帰り下さい!お願いします!」必死になっていたのか、声もだんだん大きくなっていた。 「いいえ」 マジか!?こんな事を予想していなかった俺は、何度も何度も帰るように促した。 「コックリさん、コックリさん、お帰り下さい!お願いします!」帰ってくれない焦りと怖さで手に汗が。 Y君が「もう、いい加減にかえれや!」叫んだ瞬間、ボールペンは凄いスピードで「いいえ」の回りをぐるぐると回りだし、急に止まったと思うとその後ゆっくりと移動しはじめた。 4人はボールペンを目で追う。 「こ」 「ろ」 「す」 「うわー!!!」一瞬ビビったY君が手を離した。 すぐにヤバい!と思い「コックリさん、ごめんなさい。許して下さい!」 「いいえ」 マジか!?ヤバいと思い、何度も謝っても全然許してくれないどころか、全く帰ってくれない。 すると、Yが、「どうせ、こんなんインチキやろ?Mが動かしてんねんやろ!?」とヤケクソ気味に言い出した。 俺「いや、マジで俺動かしてないって!!」 Y「だって、こんなん普通ボールペンが動く筈ないやんけ!」と手を離し、「もう、俺帰るわ!」とYは帰ってしまった。 Oが「勝手に止めたらヤバいんちゃうん?」 俺「うん。ヤバいと思う」 でも、取りあえず、コックリさんに帰ってもらおうと「コックリさん、コックリさん、お帰り下さい」と言ったが、今度は一転してボールペンの反応が無くなった。 あれ?おかしいな?と、もう一度、言ったが、また、反応がない。 「もう、帰ったんちゃうか?」「そうかも?」 「でも、マジでさっきは焦った!!」とか言いながら紙をビリビリに破いて、コックリさんを終了し、門を乗り越え学校を出てそれぞれ家に帰った。 次の日、学校に行きせんこー(先生)の朝の点呼でYが熱で学校を休んでいる事を知った。 その時は特に気にしていなかったが、翌日も休み、その次も休み、ついにYの休みは1週間ほど続いた。 さすがにこんなに休むのはオカシイと感じ、同じアパートに住んでいる親友Bに様子を聞いてみると、Bも休んでいる理由を知らないとの事だった。 俺「え?お前の親って、Yの親とも仲いいんちゃうん? それでも、理由しらんの?」 B「うん。おかんが聞いたみたいやけど、はっきり教えてもらえんかったみたい」 それから、Yが休みはじめて1ヵ月ほどが過ぎていたある日、さすがにこれは尋常じゃないやろ?と思い、Bと一緒にYの家に見舞いにいった。 Yの家は文化住宅で10世帯ほどの小さなアパートで、そのアパートには駐車場と小さな空地が合った為、何度か遊びに行った記憶があり、Yの母親にもジュースやお菓子など頂いた事があるが、気さくなで優しいおばちゃんだった。 Yの自宅チャイムを鳴らすと、ドアが少しだけ開き、「はい」元気のない返事が返ってきた。 俺「Y君のお見舞いに来ました」 Y母親「わざわざ心配してくれてありがとうね。。。」どことなく生気のない母親、以前とは雰囲気が全然違う。 俺「Y君はいますかー?」 Y母親は相変わらず、玄関ドアを少しだけ開けた状態で、中を見せたくないのかドアの隙間に立ったまま「あの子はまだ、人に会える状態やないから、折角来てもらったのにゴメンね」とお見舞いに来た俺達を家に上げてくれなかった。 おばちゃんの顔はやつれていて、明らかに疲れてそうな様子はすぐに分かった。 なんとなく、帰った方が良さそうな雰囲気だった為、来て早々に家を後にした。 後日、Bと学校でYの話になり、BがYの隣の住人に聞いた話では、コックリさんの後から、Yは原因不明の高熱がずっと続いており、Y親はいくつもの病院に連れていったが、どの病院でも、原因が分からずお手上げ状態だったようだ。 結局、Yは中学卒業まで登校する事はなく、卒業アルバムの集合写真も別枠で顔写真が載っていた。 同窓会でもYに会う事もなく、同じアパートのBは何十年とYに会っていない、その数年後の同窓会担当の同級生からYの死去と葬式の連絡メールが届いた。 俺はコックリさん以来、Yには会っていないが、 後日Bに聞いた話では、Yは原因不明の高熱の後、常に何かに怯えているように家に引きこもり、結局、高校にも行けずだったらしい。 そういえば、Yがコックリさんを止めて帰ろうとした瞬間、今まで吹いてなかった風が、急に「ヒュー」と、目の前を何かが通りぬけYの方に吹いた風、あの感覚はなんだったのか? しかも、Yが帰った後、急にコックリさんの返事がなくなったのは。。。 俺はコックリさんがYに憑いて行ったと思っている。 あの時、Yが1人で帰らなければ全員憑かれたかもしれない。 Yはあの時、「Mがボールペンを動かしてるちゃうか?」と言っていたが、俺は本当に動かしてない。。。 俺はそれ以来、絶対にコックリさんはしない。 おれはYとよく遊んだ友達だっただけに、い まだにその時の悪ノリを後悔してる。 えたいも知らない霊が憑くか もしれない。絶対に手をはな してはいけない。もし手を離すとざん ねんながら、Yの様になるかもしれない。

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