
長編
姦姦蛇螺(かんかんだら)
匿名 20時間前
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情になった。
A「おい、何なんだよ?」
オレ「説明しろ!」
オレ達がそう言うと、Bは「静かにしてよ~く聞いててみ」と、Aにさせたように一人で前へ歩いていき、またこっちに戻ってきた。
二、三度繰り返して、ようやくオレ達も気付いた。
遠くから微かに聞こえてきている音は、オレ達の動きに合わせていた。
オレ達が歩きだせばその音も歩きだし、オレ達が立ち止まると音も止まる。
まるでこっちの様子がわかっているようだった。何かひんやりした空気を感じずにはいられなかった。
周囲にオレ達が持つ以外の光はない。月は出てるが、木々に遮られほとんど意味はなかった。
懐中電灯つけてんだから、こっちの位置がわかるのは不思議じゃない…
だが、一緒に歩いてるオレ達でさえ、互いの姿を確認するのに目を凝らさなきゃいけない暗さだ。
そんな暗闇で、光もなしに何してる?なぜオレ達と同じように動いてんだ?
B「ふざけんなよ。誰かオレ達を尾けてやがんのか?」
A「近づかれてる気配はないよな。向こうはさっきからずっと同じぐらいの位置だし」
Aが言うように、森に入ってからここまでの二十分ほど、オレ達とその音との距離は一向に変わってなかった。
近づいてくるわけでも遠ざかるわけでもない。終始同じ距離を保ったままだった。
オレ「監視されてんのかな?」
A「そんな感じだよな…カルト教団とかなら、何か変な装置とか持ってそうだしよ」
音から察すると、複数ではなく、一人がずっとオレ達にくっついてるような感じだった。
しばらく足を止めて考え、下手に正体を探ろうとするのは危険と判断し、一応あたりを警戒しつつ、そのまま先へ進む事にした。
それからずっと音に付きまとわれながら進んでたが、やっと柵が見えてくると、音なんかどうでもよくなった。
音以上に、その柵の様子の方が意味不明だったからだ。
三人とも見るのは初めてだったんだが、想像以上のものだった。
同時に、それまでなかったある考えが頭に過ってしまった。
普段は霊などバカにしてるオレ達から見ても、その先にあるのが、現実的なものでない事を示唆しているとしか思えない。
それも半端じゃなくやばいものが。
まさか、そういう意味でいわくつきの場所なのか…?
森へ入ってから初めて、今オレ達はやばい場所にいるんじゃないかと思い始めた。
A「おい、これぶち破って奥行けってのか?誰が見ても普通じゃねえだろこれ!」
B「うるせえな、こ
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