
長編
黒い人
匿名 5日前
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人の声を、同時に出したような声でした。
それがとても人間とは思えず恐かった。
そしてその声が聞こえた瞬間、意識がぷつりと切れました。
目が覚めた時は病院で、主人が真っ青な顔で私の手を握ってくれていました。
主人の話によると、私と義父母3人が倒れているのを下山してきた人が見付けて、救急車を呼んでくれたそうです。
私が受けたあの衝撃は、やはり義母が私の頭を金槌で殴ったものでした。
石頭が幸いし、大きなたんこぶで済みましたが。
義父は何度も殴られた事もあり、頭蓋骨陥没骨折の全治6ヶ月という大怪我でしたが、後遺症も無く、今は普通の人と何ら変わりなく生活しています。
義母は亡くなりました。
私が意識を取り戻す1時間程前に、誰にも気付かれる事なく義母は病室から忽然と姿を消してしまったそうで、その日は親戚の方とご近所の方が夜遅くまで探してくれましたが見付からず、翌日捜索願いを出しました。
そして2週間後、あの山のあの場所で、頭だけが地面に埋まった状態(正座して前に倒れ込んだような格好)で亡くなっているのが発見されました。
直接の死因は心不全だそうですが、調べた結果亡くなってから頭が埋められたようで、何故そのような状態になったのかは今でも不明です。
動物が掘って埋めたのか、あるいは誰かが悪戯で埋めたのか、色々な線で考え調べたようですが、わからないままです。
警察の話によると、義母は病室から抜け出した後、あの山に歩いて行ったようなのです。
麓に住んでる方々が見掛けたみたいで、証言されたと言っていました。
毎日あの山や付近を捜索していたのにも関わらずこのような結果になってしまい本当に申し訳ない、と警察の方が俯きながら仰っていたのが強く印象に残っています。
(暴行の件は、やり過ぎだけど夫婦喧嘩、という事で処理されました)
そしてその事件から1年後、私は妊娠しました。
義父に報告しに行った時、そう言えばあの時甘い臭いがどうこうって言ってたよね?と言う話になり、義父がいる地域ではこんな話と唄があると聞きました。
『山いっぱいべっこう飴の匂いに包まれたら神様が降りてきた証、翌年は豊作になり、健康な子供が沢山生まれる』という話と、『くろおかみさまたまくいわらう、こしょこしょこしょ、もーまーあかごをつれてきわらう、こしょこしょこしょ、わっはっは』という遊び唄です。
『くろおかみさま』とは『黒い神様』で、この唄は『黒い神様が魂
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- どこで焼いたの?松崎しげる
- 赤ちゃんを授かる代わりに誰かの命を食べるってこと? 神様ひどい~~~~~~
- こぇ〜変隊にゃ面
- 面白かったです。お菓子
- アメリカの都市伝説スレンダーマンを想起させるお話ですね。振り向くとそこにいる、背後に立たれると発狂するというのが私の知っている大雑把な特徴です。国内にも似たようなお話があるのですねくー