これは、中学生のある夏の日の出来事です。 夏休みに入り、家で寛いでいると電話が鳴りました。出ると、友達からの遊びの誘いでした。生憎その日は家族と出かける用事があった為、その誘いを断りました。 それから、少しして親の車で出掛けることに。途中、川に掛る鉄橋を通り掛かりました。そこは、地元でも有名な川で夏になるとバーベキューや泳ぎに来るなど人で賑わう場所でした。その日も人で賑わっていたんですが、そんな人混みの中に鉄橋の歩道に見覚えのある後ろ姿を見かけました。それは、先程遊びの誘いをして来た友達でした。 夏休みに入る前。いつも一緒に行動をする3人の友達で、川へ遊びに行く計画を立てようとしてたんですが、結局そんな予定も無く夏休みに入ってしまったのです。 そんなこともあり、あの電話は川へ泳ぎに行く誘いだったのだと分かりました。 そこには、その3人が並んで水着姿で立っていました。 こんな事なら、誘いを断らなきゃ良かった。と、後悔をしていました。 それから、数日が過ぎ夏休みの登校日。久々にみんなに会いアレコレ夏休みの思い出話をしている時に、僕は最初に電話をして来た友達に｢電話して来た日。3人で川に行ったがやね。｣と、話を振った時。友達は、「え？行ってないで？」と、返答。 「いやいや、俺見たから。車で通った時。3人とも見てるから」と、言い返すも「いや、行ってないし。行くとしたら絶対言うから」と、返答。その後も、他の友達に聞くも答えは同じ。 しかし、あの日。あの場所で見た姿は間違いなく。その、3人でした。3人の背丈や髪型。顔は確認出来ませんでしたがそれ以外は見た目は同じでした。一緒に居ると自ずと決まってしまう並び順も同じ。 しつこく何度も聞きますが、答えは変わらず｢行っていない。｣ 真意の程は不明ですが、もし彼らの言っている事が本当ならあの日見た3人は何だったのか？ただの他人の空似なのか？それとも······。 ただ、そっくりな人を見かけただけの話かもしれませんが今思うと、少しゾッとした。話です。