これは父親の体験談です。幽霊が出てくる話ではないし怖いかどうかも分かりませんがちょっと不思議な話です。 　私の父親は塗装屋をやっていて仕事柄色々な家に行くので不思議な体験をする事も多いそうです。 　その日、父親が塗り替えに行った現場は一人暮らしのおばあさんが住む家でした。一人暮らしと言ってもすぐ隣に息子夫婦が住む家が建っていたらしいのですが（あくまで二世帯住宅ではないそうです） おばあさんはいつも赤ちゃんの人形を大事に抱えていてまるで本物の赤ちゃんの様に扱っていていつも喋りかけていたそうです。（その人形は幼児が遊ぶ様な寝かすと目が閉じて起こすと目が開く人形でした） 　ある日、仕事中おばあさんが 「この子の目から何か出てきてるの」 と話しかけられて見てみると人形の目からゲル状の物が出て来ていました。取り敢えず、父親はその人形の目を綺麗なウエスで拭き取ってあがる事にしました。 「お目目を綺麗にして貰いましょうね」 とその時も人形に話しかけていたらしいのですが 父親が人形を受け取り綺麗に拭き取っている最中 「本当は喋る訳ないのにね」 とポツリと一言。 父親は一瞬、えっ！？と思ったらしいのですが人形を返してやると 「綺麗にして貰って良かったわね」 とまたいつも通り人形に話しかけていたそうです。