
長編
吸血鬼の女
匿名 2日前
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そして、奥のテーブルへ通された。
テーブルできゅらはウェイターに
「いつものコースを2名分・・」
「承知しました。」
どうも、きゅらはこの店の常連のようだった。
こんな高そうな店に頻繁に来れるなんて・・。
俺はきゅらが何者なのかさらに興味を持った。
そのあとは乾杯。
俺は白ワインに、きゅらは赤ワインを飲んだ。
はじめは、ごく普通のサラダ料理が出てきた。
そのあと、「血入りソーセージ」が運ばれてきた。
きゅらは、待ってましたというように笑い、目の前には真っ赤なソーセージ。
「血入りソーセージ」というと不気味な感じもするが、血をケーシングに詰めて固めたソーセージなのかなと思っていた。
そして、ソーセージを食べようとナイフを入れた瞬間、袋が破れてトロトロと流れ出す赤黒い血・・。
俺はギョッとすると、きゅらはニヤニヤと笑いながら、血まみれのソーセージを口に運ぶ。
俺は恐る恐る、ほとんど皮だけになったソーセージの一部をナイフで切り取り口に入れると・・確かに味は良かった。
普通のソーセージの何倍も濃厚な味わいだ。でもなぁ・・。
ソーセージの次はステーキがきた。俺のはミディアムステーキで、やっと本格的なご馳走が来たと喜んで、「さあ食べよう」と何気なくきゅらを見た瞬間、凍りついた。
きゅらの皿に載っていたのは、ほんの表面だけ焼いてあって残りは真っ赤なステーキ肉だった。
「え、何それ?」
「ブルーだけど?知らないの?」
「だって、生ですよね?」
「だからいいんじゃない!」
きゅらはほとんど生の肉を口に運び、目を閉じて満足そうに食べる。
そしてときどき赤ワインを飲むきゅら。
さっきから気になっていたが、きゅらの赤ワインは真っ赤で少しドロッとしている感じがした。
まさかと思うけど、動物か何かの血液を飲んでいるんじゃないかとか考えたりした。
きゅらはきゅらでいいとして、俺が自分の分のステーキ肉を口に運ぶと、
(うまい!!)
味は最高で、これだけ美味しい牛肉を食べたのは初めてだった。
きゅらとのディナーを楽しんだあとレストラン街から海沿いの道を進んだ。
「これからどこに行くんですか?」
「私のマンションだよ?」
「一人暮らしとかですか?」
「うん、そうだよ。」
若い女が品川で一人暮らしとか彼女は何者なんだとか考えたり。
そして港南の海が見える場所のマンションに来た。
「まさかここ?」
そこには、これまた高そうな高層マンションがあった。
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