
長編
初めての1人暮らし
匿名 2016年8月23日
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もう25年前になるでしょうか、私が1人暮らしを始めた時の話です。初めての事なので安くてボロい4所帯だけの小さなアパートに住み始めた時にそれは起こりました。
二階の部屋で、1Kとはいえ自分だけの部屋に嬉しかった私は布団のみの部屋でも楽しくて初日は部屋の真ん中に布団を敷き眠りにつきました。しばらくすると一階部分から子供が騒ぐ声が聞こえて目を覚まし、五月蝿いなぁ…と思いながらもアレ?っと思いました。一階は昼間挨拶に行った時は「学習塾だから昼間だけは五月蝿いと思いますが、宜しくお願いします。」と優しそうな年配の女性が言ってたよなぁ…と思い出しました。
時計も無い部屋だったので時間はその時解らないですが、間違い無く深夜
なんなんだろう?と思いながら床に耳をあて聞いていると複数の子供の声が、
しばらくして声がピタッと止むと耳をあてた横向きのまま身体が動かなくなり「うわっ…金縛り??」と
見てはいないのに頭側にある窓に坊主頭の男の子がいる!と感じた私は何がなんだか混乱していると、その男の子はゆっくりと全身を現しました。そして私の顔を覗く様に近づいて来ました
そして私の身体の上に…重くて苦しい私は退かそうとしたいのですが、身体が動かなくてどうする事も出来ない状態…
そのままいつのまにか寝てしまったみたいで目覚めた時は朝でした。
次の日も同じように布団を敷き眠りつくと、また一階から声が…そして坊主頭の男の子が同じく
4日目になると流石に真ん中ではなく、部屋の端に布団を敷いてみました。
そうすると金縛りもなく、声も聞こえずぐっすりと眠れる様に。
その後昼間と夜に2つの仕事をしてほとんど帰る事もなくなった頃、金縛りにも何かを見た事もない先輩が泊まりたいと言って来ました。快く了承して布団も知り合いから貰い泊まらせる事に、私の疑問を解決する丁度良いとも思った私は何も言わず真ん中に…(酷いとは思いましたが)
その時には部屋に時計もあったので時間も確認出来る!とゲスな考えも
先輩はお酒と疲れでぐっすりと寝ていますが、私はずっと起きて見ていました。
時間は深夜2時、男の子が現れました。
男の子はゆっくりと窓の外?中?と、どちらとも解らない位置で一階からゆっくりと二階にすり抜ける様に現れ、先輩の寝ている位置へ…先輩は「ウッウウウ…」と苦しそうな声を出し始めています。
そして男の子は先輩の上に乗り顔を確認するようにジッと見ています。
隣で目を開け見ている私を全く気にする事もなく…
時間としては2〜3分でしょうか、先輩は「うわぁ!」という声と共に勢いよく起き上がりハァハァ言ってます
私が「男の子」「坊主頭」「金縛り」
とボソッと言うと、「当たり!誰だよあのガキ!」「なんだよ!見てたんなら助けろよ!」と怒っています。(当然ですが…)「すいません、どうしても確認したかったので、そういう経験無い先輩なら大丈夫かと思って…」と謝りその後は真ん中だけあけてまた眠りにつきました。
起きた時に先輩には丁寧に謝罪し内緒にしてくださいと伝え、他に泊まれる人が居たら教えてくださいと伝えました。
その後何も知らずに3人ほど泊まり来ましたが同じ坊主頭の男の子という回答を頂きました。確かに留守中にトイレの水が流れたままになっていた事も(知り合いの水道屋さんに直してもらった事も)
シャワーが突然出てる事もあり気味悪くなってきた時に仕事の都合で引っ越す事に。
何も解らないまま、大家さんに聞いても子供が関連する何かがあった事も無いとの答えをもらいその時使用していた物は冷蔵庫を残し全て処分し新居?へ
相変わらずの忙しい毎日で冷蔵庫の電源を入れたまま2か月が過ぎた頃久々の休みだった私はたまには自炊するかな?と、何気なく貰い物だった冷蔵庫を開けるとさすが中古、霜がとんでもない事に(笑)
腐る物も無かったのでガリガリと霜をとっていると黒い物体が…よく見ると下部以外の側面と上部に長い髪の毛が…私は短髪だったので…というか…冷凍庫に頭突っ込んで無いとこんなに髪の毛付かないよな…ってほどの量が…本数にすると片手で目一杯の量です。数十本の長い髪の毛が…
霜の中にも目で見て解るほどの量が無数に…誰も合鍵は持って無く、取るもの等無い私の部屋に来る意味がわからない私はただ、ただ混乱に。
その日の夜にはユニットバスのシャワーが突然出て、シャワーカーテンがいつもは開いてるのですが、何故か閉まっててその向こうで誰かの影が…「誰だ!」と勢いよく開けてみるとただシャワーが出てるだけ…
私の中で、「ひょっとしてこの冷蔵庫が原因?」となんとなく思い始めた時でした。
一先ず貰った人に冷蔵庫はどうしたのか?買ったのを譲ってくれたかの確認をすると、「事故物件?って感じの家にあったやつだよ(笑)」「あんまり覚えて無いけど何かあった?」っと脳天気な回答…
その日の夜は私にとってとても忘れられない夜でした。
坊主頭の子が現れた時間でもある深夜2時
玄関のノブがガチャガチャと鳴ったと思ったら誰かが入ってくれ音が、
私の部屋はバス会社が持つ建物だったので深夜でもベランダ側にあるバスの洗車機の灯りがありカーテンを閉めて無いと明るいのですが、私が寝ている隣に黒い服の脚が見えました。ゆっくりと視線を上に上げると燕尾服?でシルクハットを被った男性が私を見下ろしています。視線を反らせない私にその男性は綺麗に起立した状態からカクンと曲がり私の目の前に顔が…
そして一言「解った?」と言われた瞬間私は気を失いました。
次の速、粗大ゴミ(当時はリサイクル法が無かったので)に連絡し処分するまでの間は管理人さんに許しを得て外に出したままにしました。
処分した後は何事もなく過ごす日々になりましたが、当時夜の仕事(飲み屋さん)で私を離れて見ていた霊媒師さんと仲良くなり話していると、「居なくなったんだね?」「沢山連れてたから大丈夫かな?って思ってたんだよね〜(笑)」
と言われました。
強面だったから話しかけられ無かった私も悪いけど…言ってくださいよ…と思った出来事でした。
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