
冬の深夜、私は一人旅で訪れた古びた宿泊施設に泊まっていた。外は雪が降りしきり、寒さが身にしみる。宿泊先は安く、外観は古いが中はなんとか快適だった。私の心は、旅行の興奮で満ちていた。
部屋に入ると、ゆっくりと温まるストーブの音を聞きながら、私はスマホで明日の観光プランを考えていた。すると、突然、ドン!という音が響き渡り、部屋全体が揺れ始めた。
私は驚いて立ち上がり、周囲を見渡した。音は続けていたが、これはまさかの地震なのか?いや、違う。恐怖が私の心を包んだ。近くの部屋から女性の悲鳴が聞こえてくる。
恐怖心に駆られ、私はテーブルの下に潜り込んだ。周囲は静まり返り、ドン!という音が続いている。何かが起きている、私が思うのはただそれだけだった。しばらくして揺れが収まり、私は恐る恐るテーブルから這い出した。
スマホで地震情報を確認しようとしたが、全く情報が出てこない。不安が募る。テレビをつけても、どのニュースも何も報じていなかった。それでも、私は疲れ果ててそのまま眠りに落ちた。
翌朝、何事もなかったかのように目を覚ました。外は一面の雪景色、私は再び観光に出かけた。夜の出来事はすっかり忘れていた。しかし、その晩、再びあの音が聞こえた。ドン!ドン!と響き渡り、私はまたもテーブルの下に隠れた。
今度は明らかに前回よりも大きな揺れで、周りの物が散乱している。恐怖が私を包む中、近くの部屋から女性の叫び声が聞こえた。ドン!という強い音が続き、何かが倒れたのかもしれない。
揺れが収まった後、私はスマホで再度情報を確認したが、またしても何も出てこない。これがただの偶然なのか、疑念が私の心を支配した。私はフロントに向かい、スタッフに尋ねた。「今夜、大きな音がして、近くの部屋から悲鳴が聞こえてきた。確認してもらえませんか?」
スタッフは静かに答えた。「お客様はお一人だけです。」その瞬間、私の心に恐怖が走った。この宿泊施設には、私以外に誰もいないのか?私は急いで部屋に戻り、周囲を見たが、やはり静まり返っていた。
その夜、ヘッドフォンをつけて音楽を大音量で流しながら、布団にくるまって朝を待った。翌日、帰国してネットで調べてみると、古びた宿泊施設で過去に殺人事件があったことがわかった。あの悲鳴は、犠牲者の霊が発したものだったのかもしれない。私が聞いた音は、ポルターガイストの仕業だったのだ。
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