
中編
山林の近道
じゅる 3日前
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なものから目が離せなくなりました。前の男性もきっとこの状態だったのだと悟りました。
そいつは髪がボサボサで、大人なのか子供なのか男なのか女なのかわからない見た目。3月の肌寒い夜だというのに肘あたりまでしかない白っぽい薄い服。
真っ直ぐにこちらを見る目はギョロッとしていて、しっかりと私を捉えているのが分かりました。
暗くてよく見えなかったのですが、鳥居の奥まで長い一本道になっているらしく、そいつはその道をゆっくりこちらに向かって歩いてきているようでした。
私は完全に身体が硬直し、目が離せなくなってしまいました。ブレーキから足を離すこともできず、ずっとそいつと目を合わせたままでした。
夫「○○!(私の名前)何やってんだよ!来てるよ!はやく車出して、はやく!!!」
夫の大声で我に返り、私は車を急発進させ、一度も振り返ることなく近道を抜けました。
あれが果たして生きている人間だったのか、人間ではない何かなのか、今となっては分かりませんが
それ以来一度もあの近道には近づいていません。
今でもあのギョロッとした目を思い出すと背筋が凍る思いです。
この怖い話はどうでしたか?
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- これ東海地方ですか?たけし
- 怖いですね。そう言う物と対峙してみたいです笑たくまん