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短編

イトスギ駅

カナ 3日前
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これは多分、夢の話です。 と言うのは、あまりにリアルだったので、夢か現実か分からないのです。 私は、電車に乗っていました。 その電車には、私とお婆さんしか乗っていませんでした。 そして、私とお婆さんは、話をしていました。 何の話をしていたのかは、覚えていません。 そんな中、アナウンスが車内に流れました。 『次は〜、イトスギ駅〜、イトスギ駅〜、お出口は右側〜』 このアナウンスは、ごく普通ですね。 しかし、突然アナウンスの声に抑揚がなくなり、変なセリフが流れました。 『次の駅は、降りたらもう戻れません。あなた方の責任です』 このアナウンスが流れている間は、なぜか声が出ませんでした。 アナウンスが流れて、10秒後、お婆さんが言いました。 「次の駅で、降りてみようか」と。 他の言葉は覚えていないのに、この言葉は色濃く覚えています。 私は拒否したと思います。私の性格的にそうですし、何よりもう戻れないというのが嫌だからです。 けれどお婆さんは私の腕を引き、電車を降りてしまいました。 誰もいなくなった電車は、すぐに走り出すと、闇にゆっくりと溶け込んでいきました。 このイトスギ駅に改札はなく、そのままホームを降りると。 そこは一面、焼け野原でした。 ところどころには人がうずくまり、苦しげな声をあげている人もいます。 お婆さんはまた言いました。 「今から、絶対に何も考えたり、何かを見たりしてはいけないよ。何も考えずに、わたしの背中だけを見ているんだ」 その理由は分からなかったけれど、お婆さんの言う事を聞きました。 30分くらい経ったのでしょうか。 お婆さんは私を地下シェルターに案内しました。 そしてシェルターの中にある棚をどかします。 とても重そうなのに、お婆さんは軽々と横にずらしたのです。 お婆さんは私を扉から出るように促し、一輪の花を渡してくれました。 そこには扉があり、私はそこから出ました。 扉から出る時、聞こえた言葉は、今も忘れられません。 『くそぉ!逃がしたァァァァ!!!』 あのアナウンスの声でした。

後日談:

  • あのお婆さんが渡してくれた花は、“生きる力”を意味したもので、いつの間にか鞄に入っていました。

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  • 夢の話は荒唐無稽すぎて評価のしようがないナァ… どうせならもっと脚色して面白い話にしてほしかった
  • ホッコリしました。いい話ですね。
    しゆか
  • まさかの婆さん味方とは
    (´・д・)
  • 運転手の悔しがりようが素晴らしいネw
    イデア
  • 運転手が悔しがってて草
    さむ
  • イトスギィ
  • 逃がしてくれなかったら 亡くなっていたのかな?
    イリミナ
  • 凄く感動的な話ですね…
    チクチク
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