
中編
僕の自転車
匿名 2016年8月21日
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体験したのは私が小学校5年生のときです。
その日、近くの公園でお祭りがあり、めずらしく親から遅くまで遊んでもいい許可がおりました。
暗くなる7時頃に市販ではありますが打ち上げ花火があがるからです。
花火が終わり、「帰ろうか」という風になりましたが、クラスでムードメーカーなAくんが「近くの霊園に肝試しに行こうぜ!!」と、言いました。
そのとき、仲良しの6人で一緒にいて
Aくん、Bくん、Cくん、Dちゃん、Eちゃん、わたし、というメンバーでした。
Bくん、Cくんは「行こう!」と賛成でしたがDちゃんはその霊園の近くに自分の家があったのですごく嫌がっていました。
ですが、Eちゃんとわたしは夜遊びでわくわくしていたので、どうしても行きたくDちゃんを説得し、なんとか6人で行く事になりました。
霊園は自転車で5分程のところにあり、直ぐに着きました。
霊園は車で入れるようになっていて、広い道が作られていて自転車も通りやすく、視界も広かったです。
怖いながらも私たち6人は何か起こらないかと密かに期待していました。
気付くと時間は8時過ぎ、本当に真っ暗で自転車のライトも足元をどうにか照らしてるといった具合でした。
Aくん「つまらないなぁ〜」
Dちゃん「もう8時だし帰ろう!怒られちゃうよ…」
わたし「そうだよね…」
Cくん「自転車降りてみようよ」
Eちゃん「いいね!」
帰りたがるDちゃんとわたしを無視して、自転車を降りて回る事になりました。
しばらくまわって水を汲む水道に行き着いた頃でした。Eちゃんが急に叫びだしました。
Eちゃん「いないっ!!Bくんがいない!!」焦って見回してみると確かにBくんの姿がありませんでした。
Aくん「あいつ携帯持ってるし電話してみる!!」
Aくんが携帯を耳に当てて少しすると、どこかから微かにメロディーが聞こえました。
Cくん「行ってみよう!」
音を追っていくと、私たちが自転車を停めた場所についたのです。
携帯はBくんの自転車の籠の中で光っていました。
わたし「嘘…。これじゃ意味ないじゃん…」
Eちゃん「なんか怖いよ…」私たちが自転車の周りで悩んでいるとき (カラカラカラ…カラカラカラ)と、自転車のこぐ音が聞こえました。それは水を汲む水道に行く道から聞こえます。
Aくん「Bなんじゃないか?」
Cくん「自転車はここにあるよ」
Eちゃん「行って……みる?」
歩いている途中ずっと自転車のこぐ音が聞こえていました。時には後ろから自転車に追いかけられている感覚になり、すごく寒気がしました。
水を汲む水道が目の前に来たとき、Dちゃんが水道の少し向こうをゆびさしました。
Dちゃん「あれ、Bくんじゃない?!」
向こうに自転車に乗った男の子がいました。ただ、暗かったのでBくんとはいいきれなかったのです。
Aくん「…おいっ!!B!何してんだよ!」
Dちゃん「Bくん!帰ろうよ!」
すると、男の子が「返せぇえええええっっっっーーー」と叫びながら、自転車で私たちに猛スピードで向かってきたのです。
Aくん「うわっ!」
わたし「危ない!」
間一髪で避け、男の子は私たちの自転車置き場まで降りて行きました。
Cくん「行こう!」
走って男の子を追いかけました。
自転車置き場が近ずくと小さな光がみえました。
たどり着くと、うずくまったBくんがいます。
Aくん「B!!」
Eちゃん「Bくんどこにいたの!?大丈夫?」
Bくん「僕の僕の僕の僕の僕の僕の…」
と、小さな声で呟いているのです。するとCくんが言います。
Cくん「おい…B、自転車どこやった……?」
Bくんの自転車は無くなっていました。
Bくん「取られた…僕のなのに…。…あっ!返せ!返せ!返せ!僕の!自転車!」
そう言ってAくんを指差したのです。
Aくん「俺じゃねーよ!」
Bくん「ちがうっ!お前の後ろのやつだよ!返せ!」
「僕のだよ」
無理やりBくんを自転車の後ろにのせ、みんなで急いで霊園をでました。
解散して。次の日Bくんに話を聞くと、みんなとはぐれてから自転車置き場に行くと
自分の自転車が無くなっている事に気付き、盗まれたと思い霊園内を探し回っていたんだそうです。
Bくんの自転車はとあるリサイクルショップで破格の値段にも関わらず。綺麗だった為買った中古品だったといいます。
そして、Bくんの自転車は見つかる事はありませんでした。
後日談:
- 帰りは9時ぐらいだったので親に怒られたのは言うまでもないですね笑
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