
中編
突然学校に来なくなってしまったアイツ
匿名 2022年12月11日
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俺の学生時代に起きた事件について話したいと思う。
これは高校2年の夏の日の出来事について話そうと思う。
俺は昔Aという友達がいた。
そいつはとても大人しい奴だった。
他の友達におちょくられようが、弄られようが絶対に怒らない奴だったんだ。
だがある日の事だ。
俺が帰りの用意をしていると、
「テメェェェェェェ!ざげんじゃねぇーぞー!」
という怒号が何処からともなく突然響き渡った。
(ん?この声Aっぽいな。)
なんて思っていると
「ウォーーーー!」
という叫び声が聞こえてきたかと思うと、
ゴチン!という鈍い音が聞こえてきたんだ。
すると、クラスメート数人が不意に窓に目をやっていた。
程なくして、
「おいおいおい!あれヤベェだろ!」
と焦っている声が聞こえる。
俺も気になり窓に近づき見てみる事にした。
そこには、
鬼の形相で棒立ちをしているAといつもAの事をおちょくっている輩2人が頭から血を流して倒れてるというかなりショッキングなものだった。
それからというものソイツは駆けつけた先生数人に取り押さえられながら指導室に姿を消したのである。
俺はこの時ずっと何がなんだかわからかった。
それもそうだ。友達がDQN2人を流血させるまで暴行をしていたのだから。
その後の話だが、Aはその後すぐに退学が決まったらしい。
翌日にはAの席がなくなっていた。
(フツーそんな事していいのかよ。)
と思っていた。
それからというもの俺は毎日のように勉強をするようなった。
なぜこんな狂ったように勉強をしているのかが自分でもよく分からなかった。
そして数年後。大人になった俺は大学を卒業し超大手企業に就職する事が決まった。
そして、入社してから1ヶ月経った日のことである。
ある日俺は仕事から帰ろうとしていた時の事だった。
「なぁ、兄ちゃん。」と俺の事を呼び止める声が何処からともなく聞こえてきたのだ。
「何ですか?」と振り返るとそこには、
Aがいた。
あの時の真面目な雰囲気で満ち溢れていたAとは違い、髭も髪も伸びきっていた。
「お、A!Aじゃないか!!!!!」
俺は思わず声を上げてしまった。
その時Aが、
「頼む○○!静かにしてくれ。」
Aは何やら焦っている様子だった。
「おい。どうしたんだよ?」
「・・・あいつら・・・が・・・」
「あいつらって?」
「あいつらが追いかけてくる・・・」
「おいAそれってどういうk」
「うわーーー!!!!うゆふまめるかなたねさくなは!!!!!!」
と叫ぶととんでもないスピードと駆けていったのだった。
「A・・・」
俺はその場から動けずにいた。
だがもう遅いし何かよからぬ事がおきてしまう前にココから立ち去ろうと決めた俺は足早に駆け出した。
そしてその出来事から数日後の事である。
その日たまたま休日だったため、ゆったりしようと思いテレビをつけた時だった。
なんとAがテレビに映っていたのだ。
「え!?」
どうやらあいつはあの時、何処から手に入れたか分からないが覚醒剤を使用していたそうだ。
そしてポケットに忍ばせていた折り畳み用のナイフで街中の人達を刺していたらしい。
その中に何名かが亡くなったそうだ。
なぜあの時Aは俺の事を刺さなかったのか
未だに謎である。
ひょっとすると、あいつはまだ俺の事を
親友だと思っていたのか。
そう思うと何とも言えない気持ちでいっぱいだった。
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