
桜子は娘の莉音を抱いて、しばらく吹奏楽の演奏を眺めていた。
・・・
桜子は静岡市内の高校を卒業後に東京の大学に進学した。
桜子は大学で音楽や演劇などの舞台芸術を学び、東京でも多くの舞台で演奏して活躍していた。
将来音楽に関わる職を目指していた桜子だったが、その中でも次世代の子供達に音楽の素晴らしさを伝えていき、自身もより多くの音楽に触れたいと考え音楽の教師を志願した。
そして地元の静岡市の採用試験に通り、卒業後は市立中学校で音楽の教師になった。
子供の頃から多くの楽器に触れ合った経験を生かして、楽しく生徒が意欲的に学ぶ授業づくりに努めていった。
桜子は吹奏楽部の顧問として部員を率先して県大会や全国大会などに出場し、県や市の音楽部会ではかなり名を知られていた。
美しく才能ある女性教諭として同僚からも憧れの的だったが、桜子は高校時代からの恋人の博正とずっと関係が続いていた。
博正は地元の静岡にある大学に進学したが、大学生になっても社会人になっても桜子とずっと付き合っていた。
そして30才のとき桜子は博正と結婚し、多くの人が2人の幸せを喜んだ。
その1年後には、2人の第一子となる娘が生まれた。
桜子と博正の間に生まれた娘は莉音(りおん)と言い、桜子に似て可愛らしい女の子だ。
その3年後には第二子の男の子が生まれることになるのだが、その少し前の話。
・・・
郊外の新築の家。
薬指に指輪をした左手と包丁を握る右手。
32才になった桜子はセミロングくらいの長さのダークブラウンの髪、やや年を重ねた顔の若くはない姿になってきていた。
桜子は朝食の準備をしながらも、傍には娘の莉音がいた。
莉音は優しく可愛らしい子であったが、母である桜子のそばを片時も離れなかった。
「莉音。ママはご飯の用意をしてるの。大人しく座ってて。」
そして、階段を下りる音がして夫の博正が降りてきた。
「おはよう。」
「パパ!もう少し早く起きてよ。仕事に遅れたら大変でしょ?」
「分かったよ。」
桜子も博正も不機嫌そうにしていた。
やはり夫婦になると、お互いに嫌なところが見えてくるものだった。
博正が車で会社に出勤すると、桜子は掃除や洗濯など仕事は山ほどある。
桜子は莉音を産んでからずっと育休中で、桜子は職場に復帰するかどうか考えていた。
だがそうすると莉音はどうするか保育園も簡単に見つかるのかなど、問題も多かった。
洗濯物を干したあと、桜子は車に莉音を乗せてショッピングモールに出かけた。
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