
「聞いたことあります?私の部屋、霊道があるって…」
「え、霊道?それって、どういうこと?」
「そう、私の部屋、なんと三十階なんですよ。やっぱり高層だと霊道が通ってくるらしいです。」
「それで、何か対策したの?」
「はい、神社でいただいたお札を壁に貼ったんです。」
「それで、効果あったの?」
「いや、逆に怒られました。」
「え?管理会社に?」
「違う、霊にです。」
「え、霊が?」
「お札を貼ったその夜、目が覚めると、なんかすごい不気味な女の人が立ってたんです。顔は青白く、目は真っ黒で、髪はボサボサで…しかも、ずっと私を見てたんです。」
「それ、霊なの?」
「霊です。お札を貼ったせいで、彼女が通れなくなったみたいなんです。」
「通れなくなったって?どういうこと?」
「その後、彼女が怒って、私に向かって叫ぶんですよ。『勝手に入ってくるな!』って。私、びっくりして…何がなんだかわからなくて。」
「それで、どうしたの?」
「その後、彼女が指を指す先を見ると、なんと、長い行列ができてたんです。十人くらい、私の部屋の前で待ってて…みんなこっちを見てるんです。」
「それ、怖いね…」
「私、謝って剥がしました。お札を貼ったのが間違いだったんだって。」
「でも、どうしたの?それで解決したの?」
「いや、全然。剥がしても、彼女たちがずっと私の部屋の前にいて、通れないんです。私のプライバシーはどこへ行ったんだって思いました。」
「それは辛いね。どうしたの?」
「考えた末、外に貼ればいいんじゃないかと思ったんです。玄関のドアにお札を貼り直しました。」
「それってどうなると思う?」
「玄関の前に、また行列ができました…」
「ええ?!」
「まさかの二重渋滞です。」
「ひどい…」
「私の部屋、霊道の交差点みたいになっちゃって…」
「それ、どうするつもりなの?」
「もう、霊に勝てる気がしません。」
後日談:
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