
長編
魔法の言葉
匿名 3日前
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煽るようなそんな夢
「その中で女の人が出てきたんだ。多分俺らと同じ年くらいの子。その子はずっと洗面所の床を指さしてた。助けて。ずっとそう叫んでたんだ。」
叫んでいた。表現が少し違うかもしれない。
その子の言葉が頭に直接入ってくる感覚
美沙が危ないって。あの子を守ってって。
「俺はそこで目が覚めて急いで美沙のいる部屋に入ろうとしたけど鍵がかかったみたいに部屋に入れなかった」
あそこの部屋に鍵なんかついてないのにな。と彼は苦笑した
「そこから彼女が指さしてた床下点検口を開いてみたんだ。そしたら、髪が入ってたんだ。多分無数の女の人の髪の毛だ。束になってはいってた。
俺は気味悪くなってそれを捨てようとリビングに戻ったら、だしてもないのにライターが机の上にでてたんだ。あと紫の花も。」
髪の毛を燃やすと黒い煙がでた
それが燃え切ると私がいる部屋の方から音がしたとか。
案の定扉は開くようになっていて今に至るというわけだ
「ありがとう、佑太」
「いや、俺じゃない。その女の人だよ。美沙を助けたのは。一体誰だったんだろう。そういえばピンクの花を手に持ってたな…」
ピンクの花。・・・そうか。やっぱり
「ううん。それはもう誰か、わかってるから。」
彼は頭の上に?を浮かべていている
私はライターにとともに置いてあったという花を手に取った
「菖蒲」
そう、あの時、あの男にのまれそうになった時確かに声が聞こえた。
それは私がよく知っている魔法の言葉
「Never say never・・・」
「なんだそれ?」
「魔法の言葉(笑)」
翌日私たちは霊媒師さんを呼んだところ過去に女の人を殺してその髪を集めていたという男が此処に住んでいたらしい
どうやら事故で全身火傷をして死んだが髪の束とともに怨念が残っていたんじゃないかということ。
そして彼が止めに来なかったら私も向こう側に連れていかれていたと言われた
あんなことがあったので私達は新しい物件を探してそのアパートから離れた
そしてあの日から1年後
「ねぇ佑太。お花屋さん行こう?」
前にアパートに近かったお花屋さんに顔をだす
「こんにちは」
「あら!あなた!いつもディアスキアを用意してたけど今日はペチュニアでいいのね?」
いつも対応してくれるおばさんが笑って出てきてくれる
その手には黄色い花が持たれていた
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- 普通に感動する話だった夢の魔女