
長編
山中のキャンプ場
匿名 3日前
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その違和感を抱いた時でした。さっきまで窓の外に全身が見えていたはずなのに、今は膝よりも上側しか見えない。そのことに気づいた時にさらなる恐怖に包まれました。それからもチラッと視界に入る度に少しずつ女性の位置は近くなっていました。上半身しか見えなくなった頃、あまりの恐怖にもう見てられないと思い、まだトランプをしていた班のメンバーにもう寝るねと言い窓側に背を向けて寝ることにしました。
肩までお布団をかけ少しずつ夢現になってきた時でした。
友「私たちお菓子なくなっちゃったから、ちょっと出かけてくるねー!」
その声がテントの外から聞こえ、ハッとなり意識がはっきりしました。咄嗟にみんながトランプをしていた窓側を向きました。そこには誰もおらず窓の外にはさっき見た女性が更に近づいた位置で立っていました。私はさらにパニックになりながらも、絶対にそっちを見てはダメだと思い目を逸らすことに必死でした。私しかいない誰もいないテントで1人、恐怖で眠ることも出来ず目を瞑りながらみんなが帰ってくるのを耐えるしかありませんでした。その間もずっと背後に気配を感じ、頭元までお布団をかけながらただただ耐えていました。何分何時間経ったのかは分からないそんな時でした。どこかからかジャリッと砂利道を踏むような足音が聞こえてきました。
やっとみんなが帰ってきてくれたんだ!と嬉しくなった私は、お布団をめくり瞑っていた目を開きました。その時、
ずっと窓の外にいたはずの女性が私の真後ろで立ってこちらを見下ろしていました。
その後、私は気を失ったのかは分かりませんが次に目を覚ました時は外からみんなの笑い声が聞こえてきた時でした。
友「ただいまー!あれ、起きてたの?一緒に来ればポテチ食べれたのにー!」
先輩「大人がみんな起きてて下でお菓子パーティしてたんだよ!私たちも混ざってきたんだー!」
友「めちゃくちゃ楽しかったんだよ!」
その声で意識がはっきりし、急いで窓の外を見ました。窓の外には誰もおらず、崖と山が広がっているだけでした。
友「どしたの?窓なんて見ちゃって。そろそろ寝よー。もう3時だよ…。」
そう友達に言われ、私はもう一度横になり眠りにおちました。次起きた時には朝になっていました。
朝ごはんを食べ、レクをして、お昼ご飯に流しそうめんを食べ終えた後、帰宅のための準備をしキャンプは終了となりました。そうめんを食べたあと、少しだけ自由時間があったのでキャンプファ
後日談:
- その後も何度か夏キャンプへと参加させて頂きましたが、あの時と同じ体験は1度もしていません。 私が中学生になった頃、夏キャンプは廃止となり二度とそのキャンプ場へ行くことは無くなりました。 今でもあの時の体験が忘れられず、私に何度も見てと言ってきた友達にその時の話をしても1ミリも覚えておらず、意味がわからないという顔をされます。 もしかしたらあの時、友達は操られていたのではないか、あの時の女性はなんだったのかと時々今でも思い出してしまいます。
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