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長編

山中のキャンプ場

匿名 2024年8月16日
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これは、私が小学生の時に参加した夏キャンプでのお話です。 私が通っていた小学校では、毎年夏休み期間、一泊二日で山の中のキャンプ場にお泊まりに行こうというイベントがありました。キャンプには小学一年生~中学一年生までが参加できました。 しかし小学二年生までは保護者同伴での参加が必須だったので今まで行くことが出来ず、私は小学三年生で初めてそのキャンプに参加することになりました。私は、過去に何度か参加したことがある友達からキャンプについての話を聞きとても楽しみにしてました。 学校の終業式の日、キャンプについての説明会があり終業式が終わってから友達と一緒に体育館へ向かいました。体育館に着くとそこには同じくキャンプに参加する学生が沢山いて各班ごとに整列してお喋りをしながら説明会が始まるのを待っている様子でした。私は友達と説明会用のパンフレット等を貰いに行きました。そのパンフレットには当日どの班で1泊2日するのか、班のメンバーは誰なのか載っていました。私は、友達と同じ6班に振り分けられていました。6班は全員で4人の班で、私と友達、小学四年生の先輩が2人の班でした。私は、友達と同じ班になれたのがすごく嬉しくて、興奮気味で友達に 「一緒の班になれて良かった!!初めての参加だからもうめちゃくちゃ楽しみだよ!」 と話していました。けど、友達はあまり嬉しそうではなく、むしろ嫌がってるような暗い面持ちでした。一緒で嬉しくないのかなと落ち込みつつ、友達と一緒に6班の列に向かうと他の2人のメンバーも暗い面持ちで列に並んでいるのが目に入りました。この時私は流石に何かあるのかな?このメンバーだったから嫌だったのかな?とか色々考えていて、あまりにも気になったので 「なんでみんなそんなに暗い顔なの?このメンバーじゃ嫌だった?」 と聞きました。すると、 友「このキャンプってね、1つの班だけ絶対なっちゃダメな班があるんだよ。」 と言いました。突然こんなことを言われ意味がわからなかった私は、 「どうゆうこと?なんでなっちゃダメなの?」 と聞き返しました。すると、 先輩「私たちが行くキャンプ場って山の中にあるキャンプ場なの。私たちはテントにお泊まりするんだけど、そのテントって崖側に立ってるんだ。それでね、普通に泊まる分にはすごく楽しいキャンプで終われるんだけど一つの班だけねその班になったら全く楽しめないって言われてるの。」 と言いました。 私「なんで楽しめないの?それってどこの班なの?」先輩「6班だよ。6班のテントだけね出るんだって。毎年この班になった子達は何かしらを見てるんだって。」 当時の私は、何度か心霊現象を体験してしまっていたこともあり怖い話やお化け屋敷等、とにかく怖いことは全般的にダメなタイプでした。 私「え、じゃあこの班ってヤバいってこと…?たまたま6班なだけでテントはその曰く付きのテントじゃないかもしれないよ…!!きっと…」 とこの時の私は苦し紛れな言葉をはきました。そうでも言わないとあんなにも楽しみにしていたキャンプが楽しめないと思っていたからです。この言葉を言った後、すぐに説明会が始まり詳しい詳細を聞けないままメンバーとの会話は終了しました。 夏キャンプの説明会が開始され、次々とどのようなスケジュールなのか、どんな場所でのキャンプなのか、レクや竹細工等、詳細なキャンプの説明がされていき私は聞けば聞くほど楽しみになっていき、さっきの話を少しずつ忘れていきました。 そして夏休みが始まり、キャンプの日まで塾に通ったり友達と花火大会行ったり、お家で家族とほんとにあった怖い話をみたり等して充実した夏休みを過ごしていました。そんな日々を過ごしていき遂にキャンプの前日になりました。母と一緒にどんなキャンプでね竹細工とかするんだって!と会話しながらキャンプ用の荷物を詰めていた時にふと説明会の前に話したお話が頭をよぎりました。私の父は霊感がすごく強かったので、ちょっとした小話程度の気持ちでその話を父にしました。 私「あのね、説明会の時にね同じ班のメンバーで話してたんだけど、私が泊まる班のテント曰く付きなんだって。」 父「ふーん、どんな風に?」 私「なんかね、出るんだって。毎年。6班になった子達は見るんだって。」 父「気にした方が負けだよ。例えほんとに出るとしても意識しなきゃ大丈夫だから。楽しんでこいよ。」 私「そうだよね。うん。」 きっと大丈夫。あんなに楽しみにしてたんだから。とそう思いながら、次の日に備え私は寝ました。 翌朝、ついにキャンプ当日を迎え私は前日に準備した荷物を持ち集合場所である、駅に向かいました。皆で一斉に電車に乗って山の中にあるキャンプ場の方面に電車で下っていきました。キャンプ場の最寄りの駅に到着したら、そこからはバスでキャンプ場へ向かいました。電車でもバスでもずっと友達とお喋りをして今日からの1泊2日をすっごく楽しみにしてました。バスはどんどん山中に入っていき1時間程乗っているとキャンプ場がある場所の駐車場に到着しました。 駐車場はまあまあの広さで大型のバスが数台、自家用車が5.6台程止められるほどの広さでした。駐車場の右前方に駄菓子などが売ってる売店や管理室が付いた小屋があり、左前方に山があり、山と小屋の間にキャンプ場へと続く1本道がありました。その1本道を少し進むと左手側(山側)に鳥居が出てきて、さらに真っ直ぐ行くと竹細工や朝ごはんを食べる為の場所にたどり着きました。さらにそこを通り過ぎると右手側に下に続く階段があり(キャンプ場2)、左手側に階段がある山がありそこを登って行くとキャンプファイヤーやレクをするための広場がありました。 私たちは竹細工などをするための場所で、1度班ごとに整列し記念写真を撮りました。撮り終わったあと、鳥居があった方の山側に私たちが泊まるキャンプ場1があるとの事だったので、その山を登り始めました。 鳥居がある側の山は、鳥居、一本道、シャワー室のように並んでいて、私たちは鳥居横の一本道を登りました。少し登ると左手に神社があり、そこを通り過ぎると崖道が出てきて左右に道が別れていました。私たちが泊まるテントは左側にあったため左側に向かって下っていきました。少し下った所、右手側にテントがありました。横一列でテントが並んでいて、手前側から順番に1班、2班となっていて私たちは6班だったため6番目のテントに荷物を置くために入りました。 テントはウッドデッキのような床になっていて、天上に電球が、寝る時に床に敷く畳、毛布が数枚置いてあり、奥側(崖側)の窓が開くようになってました。かなりの猛暑日だったので、テントの中を少しでも涼しくするために窓を開け、荷物を置いたり、畳を床に敷いて夜何処で寝るか等をメンバーのみんなでワイワイ話しながらテントで数十分過ごしました。テントに着いたのは午後2時頃だったので、荷物を置き次第すぐに竹細工体験となりました。最初来た時に説明された場所へ行くために神社横を通り山を下っていき、班ごとに各テーブルに座って竹細工でコップやお皿、スプーンやお箸を作りました。竹細工体験が終わりすぐに夕食の準備となりました。私たちはテントがあった場所へと戻りました。テントの前には木のテーブルと椅子があり、また奥側(テントが並んでるところをさらに進んで行くと)に炊事場がありました。そこで各班ごとに火起こしやカレー作りを行いました。この時どれも初めての体験でもあり、手作り料理を食べれてとても楽しい気分でいっぱいでした。夕食を食べ終えた頃には午後7時頃だったので、テントに戻りお風呂の準備をした後にキャンプファイヤーをする場所へ向かいました。 夜のイベントは午後7時から午後9時までキャンプファイヤーやレク、肝試しで終わった班から順番にお風呂に向かってくださいというものでした。 キャンプファイヤー会場に到着し、私は友達の横でキャンプファイヤーが始まるのを待ってました。小学六年生達4人が代表で火の精霊になってキャンプファイヤーに火を灯していき、そしてキャンプファイヤーが始まりました。綺麗なキャンプファイヤーを見ながら、皆でレクをしたり歌を歌ったりとても楽しい時間を過ごしていました。私は夢中なって楽しんでいた時でした。横で一緒に楽しんでいたはずの友達から声をかけられました。 友「ね、あのさ。」 私「ん?どした?」 友「あそこ誰かいない?」 私「え?」 友「誰かいる」 そう言われました。友達が指さす方は木々が生い茂っている場所で到底誰かいるとは思えませんでした。実際、私たちがいるキャンプ場は山中にあり、立ち入り禁止区域もあったため人が立ち入れる場所も限られていました。けれど、何度も友達は私に、 友「誰かいる。あそこ見て。」 と言いました。私は目を凝らしながら友達が指さす方を見ました。何度見ても分からずその都度、「誰もいないよ。」と言っても「あそこにいる。いいから見て。」とその子も言い続けていました。いつもと違う様子の友達に違和感を覚えながらも、そのやり取りを数回続けていた時でした。私も見たのです。山の中に人が立っているのを。木々が生い茂っている中に立っている白い女性を。 思わず友達に、 私「え、あれ人?あそこ山の中じゃ…」 と言いました。 しかし、私がそう声をかけた時には友達はいつもの雰囲気に戻っており何事も無かったかのようにレクに参加していて、私に何度も見てと言っていた時のような様子ではなくなっていました。まるで、私が認識するのを待っていたかのように。その後私は、レクどころではなくなり何度も何度も山の方角を見てはその女性がいる所を気にしていました。なんであそこに女性がいるのだろう。そもそもあそこに人は立ち入れるのか。なんで木々が生い茂っている間に女性がいるのが見えるのだろう。と思っている内にキャンプファイヤーとレクは終わり、1日目最後のイベントの肝試しが始まりました。 肝試しは大人1人と一つの班ごとに山の中を一周してくるというものでした。1班、2班と肝試しに出発していき、ついに最後の班である私たちの班の番になりました。 私たちが出発する頃には午後9時になってました。最初神社の中へ行き、次に険しい山の中へ行き、最後はテント場へと戻ってきて終了でした。肝試し中、ずっとさっき見た女性が気になり山の中にいるのではないか、出くわしたらどうしようと不安でいっぱいだったのですが、何事もなくテントへと戻れました。 テントに戻りお風呂へ行く準備をし、シャワー室へ向かいました。シャワー室に行くためには神社の横を通り抜けなければならなかったため1人で行くには怖くて皆で向かうことにし、走って神社横を通り過ぎました。私はいちばん早くお風呂を上がってしまい1人でテントに帰るのも怖かったので、友達が終わるのを待ってから一緒に戻りました。 テントに戻ってきた頃には午後10時をまわっていました。。お風呂道具をカバンにしまい寝る支度をした後、まだ私たちは眠くなかったのでお菓子パーティやトランプをすることにしました。持参したお菓子や売店で買ったお菓子を広げなんのトランプをするか話し合っていました。窓側には誰も畳を敷いていなかったのでそこでトランプをすることになりました。窓前で皆で円を作る形で座りました。 そして、お菓子を食べながらババ抜きをしている時でした。私は窓側を向いて座っていたのですが、何故かふと顔を上げました。 すると、窓の外にいたのです。キャンプファイヤーの時に見た女性が。そこに立っていました。 私は直ぐに顔を下げて目を逸らしました。その間もパニック状態になっていて、なんでいるの?ここ崖じゃなかったっけ?見間違い…?とモヤモヤしていました。同じ班のメンバーには見えてないのか窓の方をメンバーの誰かが見ても特に何も気にする様子もなくみんな楽しくトランプを続けていました。私はなんとしでも意識したくなくて、また眠くなっていたこともあり、横になりながらトランプ眺めてるねと言い布団に入りました。 しかし、横になってしまうと余計窓の外が目に入ってしまいハッキリとそこに女性がいるのが見えてしまいました。気にしたらダメだ。気づいてることに気づかせてしまったらダメだと思い、視界に入ってても必死に目を合わせないようにしていました。 その時ふとあることに気づきました。最初に視界に入った時よりも近くなってる気がしたのです。その違和感を抱いた時でした。さっきまで窓の外に全身が見えていたはずなのに、今は膝よりも上側しか見えない。そのことに気づいた時にさらなる恐怖に包まれました。それからもチラッと視界に入る度に少しずつ女性の位置は近くなっていました。上半身しか見えなくなった頃、あまりの恐怖にもう見てられないと思い、まだトランプをしていた班のメンバーにもう寝るねと言い窓側に背を向けて寝ることにしました。 肩までお布団をかけ少しずつ夢現になってきた時でした。 友「私たちお菓子なくなっちゃったから、ちょっと出かけてくるねー!」 その声がテントの外から聞こえ、ハッとなり意識がはっきりしました。咄嗟にみんながトランプをしていた窓側を向きました。そこには誰もおらず窓の外にはさっき見た女性が更に近づいた位置で立っていました。私はさらにパニックになりながらも、絶対にそっちを見てはダメだと思い目を逸らすことに必死でした。私しかいない誰もいないテントで1人、恐怖で眠ることも出来ず目を瞑りながらみんなが帰ってくるのを耐えるしかありませんでした。その間もずっと背後に気配を感じ、頭元までお布団をかけながらただただ耐えていました。何分何時間経ったのかは分からないそんな時でした。どこかからかジャリッと砂利道を踏むような足音が聞こえてきました。 やっとみんなが帰ってきてくれたんだ!と嬉しくなった私は、お布団をめくり瞑っていた目を開きました。その時、 ずっと窓の外にいたはずの女性が私の真後ろで立ってこちらを見下ろしていました。 その後、私は気を失ったのかは分かりませんが次に目を覚ました時は外からみんなの笑い声が聞こえてきた時でした。 友「ただいまー!あれ、起きてたの?一緒に来ればポテチ食べれたのにー!」 先輩「大人がみんな起きてて下でお菓子パーティしてたんだよ!私たちも混ざってきたんだー!」 友「めちゃくちゃ楽しかったんだよ!」 その声で意識がはっきりし、急いで窓の外を見ました。窓の外には誰もおらず、崖と山が広がっているだけでした。 友「どしたの?窓なんて見ちゃって。そろそろ寝よー。もう3時だよ…。」 そう友達に言われ、私はもう一度横になり眠りにおちました。次起きた時には朝になっていました。 朝ごはんを食べ、レクをして、お昼ご飯に流しそうめんを食べ終えた後、帰宅のための準備をしキャンプは終了となりました。そうめんを食べたあと、少しだけ自由時間があったのでキャンプファイヤーをやった場所へ友達と行き山の方を見ました。もちろんそこには山が広がっているだけで誰もいませんでした。 友「山なんか見てどうしたの?」 私「え?」 友「あっち見たってなんもないじゃん」 私「覚えてないの…?」 友「何が?」 私は唖然とし、何も覚えていないことに恐怖を抱き友達の手を握り急いでみんながいる場所へと戻りました。 その後すぐにバスの迎えが来て、行きと同じルートで自宅へと帰りました。 この時の体験は、私にとって一生忘れさせてくれないキャンプとなりました。

後日談:

  • その後も何度か夏キャンプへと参加させて頂きましたが、あの時と同じ体験は1度もしていません。 私が中学生になった頃、夏キャンプは廃止となり二度とそのキャンプ場へ行くことは無くなりました。 今でもあの時の体験が忘れられず、私に何度も見てと言ってきた友達にその時の話をしても1ミリも覚えておらず、意味がわからないという顔をされます。 もしかしたらあの時、友達は操られていたのではないか、あの時の女性はなんだったのかと時々今でも思い出してしまいます。

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