
短編
白い女
らむち 2日前
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これは私が母から聞いた話です。
私の地元は街から離れた山岳部にあります。
地元では有名な心霊スポットの峠があるのですが、地元から街に出るにはその峠を越えなければいけません。
当時母は街の病院で看護師をしていました。
その日も残業をし仕事を終えた母はいつものように車で峠を越えて家に帰る途中でした。
峠にはカーブがたくさんあります。
そのカーブの途中に白い浴衣を着た女の人が峠を下って歩いていました。
季節は冬なのになんで浴衣なんだろう?
近くでお祭りでもあったかな?
それにしても街頭もない道を女の人が1人で歩くのは危ないよな
と思ったそうです。
不思議には思ったけれどあまり深くは考えず、家に帰った母は父に女の人の話をしました。
ここからは父の話です。
父の友達2人も仕事帰りにその峠を登っている途中、白い女の人を見たそうです。
2人は女の人とすれ違った後、幽霊かもしれないと思いカーブを引き返し確かめようとしました。しかしUターンをした瞬間、車のハンドル操作を誤り、峠の崖から車ごと落ちてしまいました。車は廃車になりましたが2人に怪我はありませんでした。
翌日、職場へ行くとたまたま事故後の現場を通りかかった上司から昨日は大変だったなと声かけがありました。
そして、所であの綺麗な女の人はどっちの彼女なんだ?と聞かれたそうです。
女の人なんて乗せてなかった2人は正直に誰もいなかったと言いました。しかし上司は白いワンピースの綺麗な人が隣にいただろうと言います。
2人には上司の発言からもしかしたら自分達が昨日見た女の人かもしれないと思いました。
1人は怖くなりお祓いに行きました。もう1人の友人にもお祓いを勧めましたがそんなもの必要ないと断られました。
その数ヶ月後、お祓いをしなかった方の友人は峠にあるトンネルの出口でバイク事故を1人でおこし亡くなってしまいました…。
ちなみに、母は父からの話を聞いてもとくにお祓いに行くこともなく元気に過ごしています。
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