て一番上の動画を開いた。大音量で流れるお経に合わせて、俺も叫ぶようにお経を唱えた。 ドアから変わって窓をバンバンと叩かれている時も、一生懸命に動画をループさせてお経を唱えてた。 三時間くらい経って、今度は「ただいまー」と、お母さんの声が聞こえた。その途端にバンバンとドアを叩きながら「アケロアケロアケロアケロ」という声も消えた。先ほどのこともあり、今度はドアの下の隙間から居間を見た。お母さんの足だった。俺はドアストッパーを外し、動画も止めずに部屋を出て、お母さんに泣きながら事情を説明した。その夜は、小4にもなって恥ずかしかったが、母さんと姉ちゃんに一緒に寝てもらった。 それからもうあれらは見ないが、大人になった今でもインターフォンが鳴るだけでドキドキする。