本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

新着 短編
迷路の父
迷路の父
新着 短編

迷路の父

2時間前
怖い 0
怖くない 0
chat_bubble 0
4 views

これは、僕が大学2年の冬休みに短期バイトをした時の話だ。職場は市街地にある、廃校舎に併設されたアートギャラリーだった。僕の仕事は、そのギャラリーの目玉の一つである「迷路展示」の管理スタッフだった。

冬休みは、特にアートを愛する人々が訪れる時期だ。迷路展示は訪れる客に人気で、連日賑わっていた。だが、トラブルも続出で、迷路内で迷って泣き出す子供、トイレを我慢できなくなったカップル、そして寒さに震える高齢者たちを助けるのが、僕に与えられたミッションだった。

僕は、先輩の山田さんという30代の男性スタッフの指示の下、「選ぶバイトを間違えた……」とぼやきながら、迷路内を走り回り、冷たい汗を流していたのだった。

ある冬の夜、雪がちらつく中、来場者はまばらで、僕と山田さんは迷路の中央にある小さな観覧室で、外を眺めながら雑談をしていた。別にさぼっていたわけではない。迷路全体を見渡せる場所から常に監視しており、何かトラブルがあれば、すぐに駆けつけるのだが、その時迷路内にいたのは、一人の男性だけだった。

「彼、こんな寒い日に迷路なんて来るなんて、どうなってるんだろう?」と、僕は思わずつぶやいた。

「彼は、佐藤の父親だよ」と山田さんが言った。

佐藤? どこかで聞いた名前だが、思い出せなかった。

「掲示板に、失踪のポスターが貼ってあっただろ?」

その言葉で、頭の中に映像が浮かんだ。スタッフ用の休憩室に、そのポスターが貼られていたのだ。

佐藤美咲(8歳)

◯月✕日、迷路内で行方不明。

目撃情報があれば、必ず報告すること。

「あの、失踪した……?」

山田さんが頷く。「3ヶ月前だった。あの子は、父親と一緒にここに遊びに来ていた。迷路の中で、ふっと姿が消えたんだ。」

警察に通報され、すぐに捜索が始まった。だが、迷路内の監視カメラには、彼女の姿は映っていなかった。

「彼は、毎日ここに来て探しているのか?」と僕が訊くと、山田さんは暗い表情で頷いた。

「最初は辛そうだったけど、今では『美咲は迷路の中にいる』と確信しているようだ。顔つきも変わり、明るくなった。『もうすぐ道がわかる』と言っている。」

その言葉が耳に残り、僕は不安に駆られた。彼は本当に何を見つけようとしているのか?

冬休みが終わりに近づく頃、佐藤の父親の姿は見かけなくなった。無事に見つかったのか、諦めたのか、それとも……。

事の顛末を、僕は知らない。

1 / 1

後日談:

後日談はまだありません。

アバター 001_001

はじめまして、よろしくお願いします。

投稿数 2
怖い評価 1
閲覧数 40

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(0件)

コメントはまだありません。

0/500

利用規約をよく読んで、同意の上でコメントしてください。

・連続コメントは禁止しておりますが、新規登録・ログインすることで、連続コメントも可能となります。

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.1.72

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

【参加型】投稿企画・タイアップ企画

  • 心霊スポット
  • 意味怖
  • 禍禍女

一息で読める短い怪談

読み込み中...

じっくり染み込む中編怪談

読み込み中...

深夜に読むと戻れなくなる長編怪談

読み込み中...