
中編
喧嘩の帰り道
カミト 2日前
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これは私が小学5年生の時に体験した話です。
ある時期、同級生のAちゃんはよく私の家に泊まりにきていました。
私の家のお風呂は小さかったため、夜は歩いて15分程の場所にある近所の銭湯に行っていました。
あの日も私達はその銭湯へ行きました。
初めは楽しく過ごしていたのですが、ちょっとしたことから喧嘩となり、Aちゃんが先に銭湯から出ていってしまいました。
喧嘩した後だったので、すぐ外に出て帰り道でAちゃんに追いついてしまうのも嫌だったので、私はわざと銭湯から出るのに時間をかけたり、帰り道もわざと遠回りになる道を選びました。遠回りといっても少し迂回するだけの道だったので、最終的にはいつもの道に出るのですが、その時はどうしてもAちゃんと会いたくなかったので遠回りの道を選び歩いていました。そしていつもの道が見える道に出たところで先を見るとAちゃんが歩いているのが見えました。自分なりに時間をかけて歩いていたはずだったので、まだAちゃんが見える場所を歩いている事に驚き、それと同時に(私の家に私がいないのに先に帰ってどうするん…私の親に怒られても知らんよーだ)とかひねくれた事を考えていました。
私は距離を取りながら前を歩くAちゃんを意識して同じ速度で歩きました。Aちゃんは振り返りもせず歩いていました。私の家から銭湯までの道には小さなトンネルがあるのですが、Aちゃんがそのトンネルにさしかかりました。すると次の瞬間、何故かAちゃんが走り出しました。
(えっ!?)
まさか走り出すとは思っていませんでした。Aちゃんの歩く速度を意識していたからか、突然走り出したAちゃんにつられて私も走って追いかけようとしました。
そしてAちゃんはトンネルの中の街灯の光が届かない暗闇の中へ姿を消しました。
その消えた瞬間と同時に
「わっ!!!!」
とAちゃんが後ろから私を驚かせてきました。
私は何が何だか分からず声も出ませんでした。そんな私をよそにAちゃんは
「あんたの家に1人で帰れるわけないやん!!だからずっと待っとったのになかなか来んし、来たかと思ったら走って行こうとするし!!」
と笑って話していました。
「Aちゃん…さっき前歩いててトンネルの中入ってったよね…??」
「私ずっとここで待っとったよ??」
「「え…??」」
前を歩いていたはずのAちゃんは私を驚かせたAちゃんと同じ髪型、同じ服装でした。だから疑いもせずA
後日談:
- 後日。 自分の実体験として学校でこの事を話しました。それから2週間も経たないくらいだったと思うのですが、休み明けの学校で次は別の子が「昨日近所の公園を通った時Aちゃん見たよ」と。けどその日Aちゃんはずっと家にいて弟と遊んでいたそうです。その子が「こんな服着てたよ」と言うと、Aちゃんは「確かに昨日その服着てた…」と。 しばらくの間は友達の間で『Aちゃんが2人いる』と噂になりましたが、それ以降はそんな話はなく、何年か経った今でもAちゃんは変わらず元気に過ごしています。
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- Aちゃんは優待離脱する体質なのかも知れません。知り合いにも、優待離脱体質の人が居ます。無意識のようですが、周りは驚かされますよね!さら
- 実は前を走っていった方が本物のAちゃんで、後ろから来たのが得たいの知れない何かだったりしてね。人面人