
これは数年前に起きた出来事です。私が育った港町では、この話が都市伝説として語り継がれています。
私が高校生の頃、住んでいた町は人口も少なく、観光名所もほとんどない、まさに田舎そのものでした。そんな町の近くには、冬の夜に美しい灯りが見える小さな丘がありました。昼間は海や山の景色が楽しめる自慢のスポットでしたが、夜になるとその美しい光景が一変しました。
しかし、その丘の近くで大手企業の新しいプロジェクトが始まることが発表されたのです。その場所は、今でも数軒の漁師が暮らしている地域で、工事が始まることに誰もが驚きました。
その中でも一軒の家族が、工事に対して「絶対に立ち退かない」と宣言しました。その家族を仮にMさんと呼びます。Mさんは中年の女性で、夫と二人の子供がいましたが、子供たちはそれぞれの生活を持ち、疎遠になっていました。
Mさんが立ち退きを拒否する理由は「この家には亡くなった夫と子供たちとの思い出が詰まっているから」と語っていました。しかし、工事が進む中で日が経つにつれ、Mさんの姿は見えなくなってしまいました。
行方不明となった数日後、捜索が行われましたが、彼女は見つかりませんでした。そんな中、都会での生活を送っていた息子が帰郷することになりました。彼の帰省の理由は、母親を探すためではなく、実は土地の売却契約を結ぶためだったのです。
Mさんが失踪してから一ヶ月後、家は取り壊され、工場の一部に変わりました。すると、ある噂が立ち上がりました。それは、この大手企業が子供たちに圧力をかけ、母親を失踪させたのではないかというものでした。
そしてその噂が広がる中、夜景を見に来た人々の間で「Mさんの霊が出る」という噂も流れ始めました。彼女の家から丘までの道は、肝試しに訪れる人々で賑わうようになり、心霊スポットとして名を馳せることになりました。
実際、Mさんは今も行方不明のままですが、その幽霊が本当に彼女なのかは誰にも分かりません。しかし、私たちの町では、この話は今でも語り草となっています。
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