本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

長編

ウサギ穴

匿名 6日前
怖い 708
怖くない 641
chat_bubble 0
80,697 views
面に、穴はあった。同じような穴だった。見つけたのは僕だった。かくれんぼをしていて偶然見つけたのだ。 「穴ー。あなー!」 と叫ぶと、みんなが集まって来た。ほら見ろやっぱりウサギだった。いや、へびだ。違うモグラだ。 そんな不毛な言い争いのあとだった。誰が言ったのかは忘れた。僕だったのかもしれない。まあ、とにかく、誰かが言った。 「じゃあさ。この穴によ、ウサギ入れてみん?」 よし、やってみようぜ。面白いかは二の次だぜ。何てたって僕ら小学生だぜ。でも今は少し後悔している。 僕の通っていた学校では、ウサギを飼育していた。そして学年には一人ずつ(※クラスは無いよ。全校生徒八十人くらいだったから)、飼育委員というのがいて、昼休みになるとウサギに餌をやったりするのだ。 そして何と、その時の五年生の飼育委員が、僕だったのだ。 決行されたのは、次の日だった。昼休み。僕は『チャーボー』と名札の貼られた檻を開けて、茶色い毛がボーボーの可愛い兎を一匹抱えて、『ウサギ穴』へと向かった。 到着すると、もう友達の一人は穴で待機していて、反対の県道側の穴の方にも、数人スタンバっているらしい。 友達が、運動場の倉庫から持ってきた五十メートルの巻き尺の紐を、チャーボーの身体に結んだ。命綱のつもりだ。 「チャーボー。ほれ、いけ」 穴の中にチャーボーの頭を突っ込む。チャーボーは嫌がって足をパタパタさせた。無理やり押し込む。それほどきつくはなさそうだけど、無理しないと方向転換は出来ないだろうな。 「はよういけ。帰ってきたら餌やるから」 棒で尻をつつくと、チャーボーは嫌々そうに穴の奥へと進んで行った。 途中で途切れているだなんて考えはなかった。二つの穴は、当然つながっているものだと思っていたのだ。 「よんメートル」 隣で友達が、チャーボーが進む動きに合わせて巻き尺を引っ張り出しながら、一メートルごとにいちいち報告する。 「はちメートル」 当時は、小さな山だったので、学校側の穴から県道側の穴まで、五十メートルも無いだろうと思っていた。今考えると、もう少し距離はあっただろうけど。 僕がふと疑問を覚えたのは、十メートルを過ぎてからだった。 友達が数えるメーター表示の速度がおかしい。 「じゅうさん、……じゅうよん。じゅう……、ああもう早いよちょっと待って!」 ものすごい速さで、巻き尺を回す取っ手が回転して、しゅごおおお、

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(0件)

コメントはまだありません。

0/500

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.0.238

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

grid_3x3 話題のキーワード

search

サクッと読める短編の怖い話 サクッと読める短編の怖い話

読み込み中...