本当にあった怖い話

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過去に聞いた話
中編

過去に聞いた話

匿名 2014年3月29日
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今から10年以上前に何かの番組でこんな話がありました。 ご存知の方もいるかも 実話です。 ある中年女性が会社で済ませるはずだった仕事を自宅で済ませようと机のパソコンにかじりついていました。 ちなみに彼女の自宅は60階建てのマンションで部屋はたしか57か58階だったかな? 疲れた彼女は背伸びをしトイレに入ったんです。 すると、 ガタンッ! トイレの外から何か物音がしました。 ビクッとした彼女はたいして気にせず用を足しトイレから出ようとドアを開けようとするがドアが何かに当たって開きません。 何度やってもその何かに当たって開きません。 その時彼女は ハッとあることに気がつきました。 明日の朝、捨てるはずの古いテーブルをトイレ近くの壁に立てかけて置いたのです。 トイレに入った時のあの 【ガタンッ】 という音… そう、ドアを閉めた振動でテーブルが倒れてしまった音だったのです。 しかも運の悪いことにテーブルの幅は廊下の幅とほぼ同じ。 いくら押しても開くはずもなく… その時トイレ内にブザーがあるのを思いだし彼女はそれを押した。 プー、プー、至急トイレに来て下さい! プー、プー、至急トイレに来て下さい! が、部屋の中には誰もいない。 このブザー、部屋内にしか鳴らないため火災などが起きない限り管理室にまでは届かない。 仮に誰かが玄関のインターホーンで訪ねて来ても部屋のインターホーンで返事をしない限り客は帰ってしまう。 そして彼女にとって最悪な悪条件が重なった。 独身で一人暮らしの彼女、家に帰って来る家族はいないのだ。 パニックに陥った彼女がとった行動 ドンドンッ!助けてーッ! ドンドンッ!誰か助けてーッ! … ドアを叩きながら大声で叫ぶことだった。 だがこのマンションの部屋、外からの風通しが悪く声が外へは漏れない。 たまに彼女の部屋の前を住人が通るが必死の声は届かず… もうこうなっならドアを壊すしかない! と彼女は体当たりでドアを壊そうとするが中年女性の力ではビクともしない。 疲れて便器に座り込んだ彼女は何とか落ち着きと冷静さをとろうと そうだ…明日仕事先から連絡がくるはず… 電話に出なければ不審に思って助けに来てくれる… 何とかなる… ここはトイレ…水だけはたくさんある… 水さえあれば何も食べなくても一週間くらいは持つ… 水さえあればと覚悟を決めてもこんな所でいったい何日生き延びれるだろうか… 他の部屋では家族で一家団欒の時を過ごしている時間であろう。 だが彼女がトイレに閉じ込められていることなど誰も知るものはいない。 容赦なく襲う空腹感、そして孤独感。 ただただ言いようのない不安と恐怖が募るばかり。 その時 バタンッ!(ドアの音) 隣の住人が帰ってきた。 彼女はとっさに立ち上がりドアを叩きながら叫ぶが… 絶望のどん底に立たされた彼女。 そしてトイレに閉じ込められてから4時間が経過。 時刻は午後11時。 夜も静まり返りみんな就寝につく時間になった。 そんな中… プー、プー、至急トイレに来て下さい! プー、プー、至急トイレに来て下さい! … 彼女の部屋からすぐ下の階の部屋、眠りに就こうとした夫婦の耳にブザー音がかすかに響いた。 あれ~?上から何か聞こえない? うん、確かに… 不審に思った下の住人は管理室に報告に行き管理人と彼女の部屋まで行った。 管理人がチャイムを押すと眠りかけていた彼女が立ち上がり、 ドンドンッ!ここです!助けて下さい! トイレに閉じ込められてます! が、管理人は合い鍵を持っていない。 管理人はすぐ警察に連絡し30分後に警官が乗ったヘリをマンションまで救出に向かわせたのです。 屋上に着地したヘリから警官が二人降り50mのロープを吊し、命綱をつけ彼女の部屋まで行き窓ガラスをブチ割って侵入し彼女を救い出したのです。 (ちょっと感動) もしあのブザーがなかったら彼女はどうなっていたでしょう?

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