
長編
借家に住んでいた時の話
匿名 3日前
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んじゃないかという話になり、資源ゴミの日はまだ先でしたが、翌日は可燃ゴミの日だったので、着物を可燃ゴミ袋に入れ直して、翌朝早々にゴミ捨て場に持っていってくれました。
しかし数日後、母と買い物をして帰宅すると、玄関の前に可燃ゴミ袋が置いてありました。
袋から透けて見えるハッとするような橙色、あの着物を入れた袋でした。
私は学校では着物の話はしていないし、母もしていないとのことでしたが、もはや地域で我が家に嫌がらせをしているのではないかと母は疑心暗鬼になっていました。
父は着物のことは大家さんに聞いただけでしたので、着物のことを知っているのはわが家と大家さんだけです。
大家さんはこの家を契約する時にとても喜んでくれていて、大家さんが嫌がらせをしているとは考えにくく、何より今は息子さんのお宅に住んでいるとのことで、そのお宅までは車で1時間半ほどかかるので、わざわざこんな嫌がらせをするのは考えにくいと父は言っていました。
前の住人に直接話を聞きたいところでしたが、今は飛行機の距離に引っ越されたようで、それは難しそうでした。
とにかく母と私はもうこの家にいるのが不気味で嫌でしたので、早急に住まいを変えたいと父に伝えました。
父は困っていましたが、実際変なことも起きているし、転校したての私のメンタルを心配して、学校に近い小さなアパートを契約してくれました。
借家には父の仕事道具などがあり、アパートも金銭的に広いところの契約は難しいので、父は借家、私と母はアパートで暮らすようになりました。
その間に玄関に置いてあった着物の袋は、父が直接ゴミ処理場に持っていき、処分してもらいました。
ほっとしたのも束の間、今度は父がみるみる内に憔悴していきました。
どうしたのか聞いても、仕事が忙しくて疲れてるだけだから大丈夫の一点張りで、何も教えてはくれませんでした。
絶対にあの着物が関係していると私も母も考えていました。
なので寝泊まりはアパートでして、出勤する時に借家に寄り仕事道具を持っていけば良いのではと提案しましたが、父は心配要らないよと青白い顔でにこっと笑うだけでした。
そしてその会話をしてから間もなく、父が仕事中に倒れたと連絡がありました。
過労によるものだろうと病院では言われましたが、私はたまらず父に、着物がまた戻ってきたんでしょう!と言いました。
点滴をされた父は観念したように、弱々しく答えてくれました。
私
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- 大家さんひどいなぁ!おわ
- 怖すぎ 大家さん絶対何か知ってるでしょ 逆にお金払ってほしいくらいだねにゃんころちゅ
- これは怖いです!!うんこりん
- 面白かったです。 その借家は今住人いるのかな。匿名
- 面白かったです。 その借家は今住人いるのかな。匿名