
長編
借家に住んでいた時の話
匿名 2日前
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しました。
ですがどこも異常はなく、施錠もしっかりされていました。
取りあえず父は警察に通報し、付近のパトロールを強化してもらえるようにお願いしてくれました。
母は気持ち悪がりながら、また着物を資源ゴミの袋に入れて、厳重に口を縛っていました。
その日は普通に登校しましたが、着物のことが頭から離れず、夜もなかなか寝付けませんでした。
それを察した母が、大丈夫、朝はパニックになっちゃったけど、よくあることだよ、と言って布団をぽんぽん優しく叩いてくれました。
よくあってたまるかと思いましたが、母の言葉は偉大、頼りにしてる大人がそう言ってくれるだけで安心し、私は眠りにつきました。
しかし案の定夜中に目が覚め、それからなかなか眠れずにいました。
時計を見ると1時半過ぎ、横で眠る母の布団に潜り込み、身体をぎゅっと縮めながら着物のことを考えてしまいました。
よくあること… よくあること… と自分に言い聞かせながら眠ろうと必死になっていた時、足元でカサカサと袋が擦れるような音が聞こえました。
全身が心臓になったのかと思うくらい、ドクンドクンと震え、ぎゅっと目を瞑りました。
カサカサという音は大きくなっていき、今度はズルズルと引きずるような音に変わりました。
私はたまらず母に抱きつき、お母さん、お母さんと小さく呼びました。
母は寝ぼけながらも私を抱きしめて頭をぽんぽんしてくれました。
少しほっとした時、母の向こう側に見える部屋の景色が目に映りました。
着物が壁に張り付いていました。
身体が硬直しました。
怖いのに目が離せない、目を閉じたいのにまばたきさえもできない、そんな状態でした。
中心が開いた着物、その左胸元あたりから、人の頭のようなものが少しずつ出てきました。
恐怖で呼吸が荒くなり、涙がボロボロ流れましたが、目が離せませんでした。
その頭は片目だけ見える状態で止まり、こちらを見ているのが分かりました。
目が合ったからです。
私は大泣きしながら、大声でお母さん!!と叫びました。
母はなんだぁ!?と飛び起き、大泣きしてる私を見て慌てて電気を点けました。
ギャンギャン泣いている私の声を聞いた父も駆け付けて、どうした!?と2人はオロオロしていました。
私は先ほどの出来事を言うと、着物が張り付いていた壁を調べてくれましたが、そこに着物はなく、資源ゴミの袋の中にしっかり入っていました。
恐怖からくる幻だった
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- 大家さんひどいなぁ!おわ
- 怖すぎ 大家さん絶対何か知ってるでしょ 逆にお金払ってほしいくらいだねにゃんころちゅ
- これは怖いです!!うんこりん
- 面白かったです。 その借家は今住人いるのかな。匿名
- 面白かったです。 その借家は今住人いるのかな。匿名