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長編

小学校横の神社

匿名 2019年11月11日
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私の通っていた小学校の横には、昔あったお城の処刑場跡を鎮める為に造られたと言われる、神社がありました。 とても急で高く長い階段を上り切って、その上が祠になっているのですが、あまりに高いからか途中からは階段が二手に分かれていて、真っ直ぐ頂上へ向かう急な階段と、横に逸れて緩やかな傾斜でカーブを描いて頂上へ向かう階段があり、日中は運動部の人達が階段で体力強化の練習をしていたりするのですが、お参りに来ている人はほとんど見た事がありませんでした。 そこは、上に行けば行くほど大きな木が生い茂り、日中でも陽があまり当たらず、子供ながらにゾクッとする様な言い知れぬ雰囲気を感じる所で私はあまり好きではありませんでした。 ある夏休みの日にクラスメイト数名と小学校のプールで一緒に泳ぎ、そのまま何処かに遊びに行こうか?と言う話になりました。 すると、そのうちの1人(以下、T君とします)が「○○神社の祠の中って見たことある?」と言うのです。私を含め、他の子は皆首を横に振りました。するとその子が続けて「おじさんから聞いたんだけど、今日はあそこで祀られてる首狩り武者って呼ばれてる、お城の処刑人の命日で祠が空いてるって聞いたんだけど見に行かない?」と続けました。 夏休みでテンションの高かった私達は、ノリノリで「行く行く!」という事になりました。 しかし、長い長い階段を登るごとに真っ昼間だと言うのに辺りが暗くなり、冷んやりとした空気を感じだんだんと怖くなって来た私達は、最初のノリノリのテンションとは打って変わって、足取りがどんどん重く口数も少なくなっていきました。 そして、やっと祠が見える頂上に着いたときには、誰からともなく何人かは手を繋ぎ無言になっていたと思います。 そしてT君が「誰から見に行く?」と言っても、皆顔を見合わせるだけで行きたがらないし、聞いた本人もビビってるのが伝わって来ました。 結局、皆で一緒に覗きに行く事にし、横一列になって恐る恐る覗きこんだのですが、中には綺麗な刀が他に何も置かれていない祠の真ん中に紙垂(しで)と言われる白い紙がつけられ飾られているだけで、これだけか…なんて考えた瞬間に、1人の子が「何か聞こえた!!」なんて叫ぶものだから、皆で一目散に全力ダッシュして、やって来た階段の方向ではなく、祠の奥の山道に向かって走り出してしまいました。 そして、誰かが「ストップ!ストップ!もう走れないよー」と叫ぶまで、私達は結構な距離を走ってしまい、私を含め何人かの子はパニックで泣きそうになっていました。 しかしT君が「この山道、道なりに進むと俺んちの近所の裏山に抜けるよ!」と言うので、また気味の悪い祠の前を通って戻るよりこのまま進んだ方が良いだろうと、山道を帰ることにしました。 そこからは、道が分かるT君を先頭に私が二番目を、その後に残りの子が縦一列になって続き歩く事になりました。 だんだんと祠から遠ざかり、辺りの暗さもマシになって来た辺りからは、私達もテンションを取り戻して来て「さっきは何の音が聞こえたの?ビックリしたんだけど!」なんて笑い合う余裕が出て来ましたが、そんな最中にT君がいきなり「イタッ!」と首を押さえてしゃがみ込んだのです。 私はT君のすぐ後ろを張り付くように歩いていたので、直ぐに近寄って声をかけたのを覚えています。しかし、T君は首を押さえて「首が…」と言って泣くのを我慢して言葉が出ない状況で、私はオロオロ。 最後尾の方を歩いていた子は状況が分からず「おいおい、ここまで来てそんな冗談やめろよな」なんて笑っていたのですが、それを聞いたT君が「本当だよ!何かが当たったんだから見てくれよ!」と手をどかしました。 すると、T君の首の後ろには何か細く長い物が当たったかの様な、紫色のアザの様なものが出来ていました。もう、それを見て私達は全員絶句しました。 特に私は直ぐ後ろを歩き、首とは言わずともT君の背中を見ながら直ぐ後ろを歩いていたのですから、枝やら何かが落ちて来たのなら当然視界に入っていたハズなので、激しく困惑して震えが止まらなくなりました。 その後は、皆でとりあえず早く山を降りよう。降りたら一番家が近いT君の家で手当てしようと話し合い、その後は黙々と早歩きで山を下ったのを覚えています。 そしてT君の家まで向かいましたが、T君が「俺、今日はもうこのまま帰るわ」と言い家の中へ入ってしまったので、残った私達もそのまま遊びに行く元気もなくその日は解散する事にしましたが、残ったメンバーで話し合い、翌日にまた神社へ行き興味本位で遊びに行った事を謝ろうと言う話になり、神社前で待ち合わせする事にしました。  翌日、ほぼ同じメンバーが揃い、おっかなびっくりしつつもT君に怪我の具合を聞いたのですが、なんとあんなにハッキリとあった紫色のアザの様なものは綺麗さっぱり消えていて、本人も全然痛くないというのです。 私は本気でビビってしまい、何度も何度も命日が明けていつも通り閉められた祠の扉に向かって手を合わせましたが、一番怖い思いをしたであろうT君がケロッとしていた事も私には大きな衝撃でした。 その時は怖くて、とても悪い事をしてしまったに違いないと思い親には話せなかった私ですが、後になって父親に話したところ「首狩り武者の話しは知らないけれど、あそこの二手に分かれる階段は、そのまま真っ直ぐ上がる方の階段を男坂、遠回りして頂上に行く階段を女坂って言うんだが、その間にある大きな古い木では昔から男女関係のもつれで首吊りする人なんかが多いって聞いた事あるなぁ…」なんて言われて、後追いでゾクゾクしてしまいました。 私達は祠へ向かう最中、疲れてちょうどその大きな木の下に並んでいた石に腰掛けて大騒ぎしてしまったのですから…謝る先は祠だけでは足りなかったのかも知れません。

後日談:

  • その日を境に、私ともう1人だけいた女の子は霊感を得るとまでは言わずとも、不可解な現象を体験しています。 ただ、もう10年以上経ちますがまだ全員健在です。

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