
短編
住宅に潜むもの
匿名 2日前
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去年派遣で愛知の某所へ赴任していた。
会社が借り上げたレオパに住んでいたのだが、その近くに大手某工場の社宅があった。
市営住宅のような大きな住宅は全部で3棟。
そのうちの1棟が不気味だった。
取り壊し予定でバリケードが張られているのに、一室がボンヤリ光ったり、何か誘い込むような感じがあった。
連れが遊びに来ていたある日、酒盛りの為一緒に買い出しに出た。
その帰りに住宅横を歩いていると、エリザベス女王のような洋装(だが全部黒)を着たお婆さんがその住宅から出てきた。
品のある服装だったので、横に居た連れに
「今すれ違ったお婆さんさぁ…素敵な格好やったね」
って伝えると友人は
「え?お婆さんなんて居ないよ。気持ち悪い事言うの辞めてよ!」
と言う。
驚いて振り返ってお婆さんを探すが、そこにはもう居ない。
良くよく考えると、お婆さんの足音を聞いていない。
やばいと感じて即帰ろうとすると、連れが「うわぁ!」と驚いた声を上げた。
連れを見ると振り返ったままの姿勢で一点を見つめ震えていた。
視線の先に目をやると、住宅の一角がある。
連れに事情を聞くと、四階建ての三階部分の窓に女性が睨みながら此方を見ていた。と言う。
殺気と言うか、何だか嫌な空気を感じたので、連れを引っ張って帰ろうとするが、連れの体が硬直して動かない。
どうしたものかと考えて、苦肉の策で柏手を一度鳴らす。
何かに弾かれたように連れの体が動くようになったのでそのまま足早にその場を離れて事なきを経た。
後日談:
- この日はこれで終わりましたが… 実は後日談があります。 未だに続いてるかもですが…起きた事は書いていきます。
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