
冬の夕方、美術室は静寂に包まれていた。新しく入部してきた部員、B君は、他の部員たちにすぐに受け入れられた。彼は絵が得意で、みんなの憧れの的だったが、どこか影のある少年だった。
ある日、B君が学校に来なくなった。最初はただ風邪か何かだと思っていたが、彼の欠席が続くにつれ、心配する声が上がり始めた。友人たちから話を聞くうちに、B君が独り言をよく言っていたと知った。特に、彼が描いていた絵に映る存在について語ることが多かったらしい。
ある晩、部室でひとり残っていたとき、B君が描いていた絵を見つけた。その絵には、誰も見たことのない奇妙な形の影が描かれていた。気になって、周囲に聞いてみると、B君は数ヶ月前に友達のC君と特別な関係を築いていたとのこと。しかし、C君はいつの間にか学校に来なくなり、誰も彼の行方を知らなかった。
B君が独り言を言っていたのは、実はC君と会話をしていたからだというのだ。彼が絵を描くとき、C君の姿が見えていたのかもしれない。私たちが気づかない間に、B君はその霊的な存在に取り憑かれていたのだ。
B君の行方を心配し、美術室に何度も足を運んだが、彼の姿は見えなかった。友達として気にかけていたはずの彼が、実は見えない存在と交流していたことに、恐怖が押し寄せてくる。ひょっとしたら、私たちが日常的に過ごしているこの場所にも、誰かの目には見えない何かが潜んでいるのかもしれない。恐れが静かに心を占める中、私は美術室を後にした。そこには、B君の絵が未だに描かれたまま残されていた。彼が見つけたものは、私たちには決して見えないまま、永遠に存在し続けるのだろう。
その後、B君が戻ってくることはなかった。ただ、彼が描いた絵とともに、何かが私たちの周囲に潜んでいるという不気味な感覚だけが残った。私たちが日常的に使うこの空間に、見えない友達がいるかもしれないと思うと、背筋が凍る思いだった。
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