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長編

あんたがたどこさ

匿名 3時間前
怖い 1,082
怖くない 903
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うか。辺りをもう一度、見回す。誰も居ない。風の音もしない。さっきまでは吹いてたはずだ。そう言えば、虫の声も聞こえなくなった。 「おーい……」 おーい……、おーい、おーい…… 僕はその場に飛び上がった。 Kを呼ぼうと叫んだ瞬間だった。まるでトンネルの中に居るかのように、僕の声が周囲にこだましたのだ。やまびこでは無い。ここは広いグラウンド。後ろに学校はあるが、何度も音が反響するなんて、絶対におかしい。 僕は途端に、怖くなった。 「なあっ、おーいっ!」 二度目。返事は無い。僕の声だけが、辺りにしつこくこだまする。ふと思い至って、ポケットの中の携帯電話を取りだした。 圏外。確かに、さっきまでは使えたのだ。学校の中でSからのメールも受信した。 『別の世界』 Kが言った言葉がふと頭をよぎる。 ここは、もしかして、そうなのか。 あんたがたどこさ。 ここは、どこだ。 小学校の入口に目を向けた僕は、『それ』に気がついて、ぎょっとする。 発作的に走りだしていた。学校の外には車が停めてあったが、鍵は持っていない。それよりも、この小学校は山を少し上った位置にある。ここに来る時、小学校に入るすぐ前の道からは、下の街の夜景が一望できたのだが。 そこは、街を見下ろせる場所。 絶句する。 街が無かった。 いや、正確に言えば、遠目ではあったが、そこに街はあった。ただしその街には、明かりがただの一粒も灯っていなかった。街が、黒い。いくら深夜でも、あり得ない光景だ。 僕は、その場にへたり込んでしまった。ようやく、確信する。僕は、異世界への扉を開けてしまったのだ。 帰る手段は知らない。 ぞわぞわと、ゆっくり、足元から恐怖が這いあがって来る。 どうしよう。 僕は、立ちあがって学校へと戻った。とりあえず、何か考えがあったわけではない。あのままじっとしていて正気が保てるかどうか怪しかったのだ。 学校の校庭。赤錆びた鉄棒、シーソー、回転塔。グランドの中央あたりに、Kが描いた図形。僕はその中に入って、再びへたり込んだ。何をしていいか分からない。Kを探そうか。でも、無駄な気がする。 「わっ!」 意味も無く叫ぶ。こだまする。一体何なんだこの反響音は。僕は、もっともっと、遮二無二叫びたい衝動を懸命に押し殺した。 駄目だ。冷静になれ。人は考えに考えた末、壁をよけて通ることを覚える。これはたしか友人のSが気に入ってい

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  • めっちゃ怖かったです、けど、戻れてよかったですね
  • 私も、危険というレッテルをどこかに貼ってみたいですね ところでレッテルってどこかに売ってるのでしょうか ホームセンターや文具・雑貨店などでは見たことがありません Amazonでもレッテルという商品はありませんでした
  • これ、なつのさんの奴だよね?
    肉団子
  • 創ったにしても好きだわ、この手の話。でもよく手毬唄で戻れるって気付いたなぁ。自分だったら試しもしないかも。
    kayaro
  • 何で友人と電話してるのに目の前で話してるんだ?
    名無し
  • 本当にあった訳ないじゃない 文章が上手いですね
  • 素晴らしい。
    だっち
  • 本当に有ったんですか? 電波関係なく写真や動画撮って欲しかったですね!!
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