
中編
先生の話
匿名 4日前
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本道の扉には上半分にすりガラスがはめ込まれており、そこから外が見えるようになっていました。しかし、すりガラスの向こうには人の姿どころか虫一匹見つかりません。それに、扉には鍵などついていません。開けろと頼む必要が無いのです。
「・・・・・なんだあれ」
思わず先生が呟くと、健太は少し顔を青くしながら囁いた。
「・・・・・とにかく開けない方がいい。」
2人は震えを隠しつつ夜明けまで本堂から出ないと決心しました。
扉を叩く音はどんどん大きくなっていきます。しまいには扉が外れるほどの強さでたたき始めました。
「おい開けろ!!開けろ!!!!」
呼ぶ声も乱暴なものになっていきます。
先生と健太は扉からできるだけ離れ、壁にぴったりと背中をつけて耳を塞ぎました。
それでも扉を叩く音は止まず、本堂が揺れるほどの勢いで扉が叩かれるまでになりました。
そのままなんとか朝を迎え、扉の音が止んだのを確認した2人は恐る恐る外へ出ました。
扉は叩かれすぎて見るも無残な姿になっていたそうです。
すりガラスにはベッタリと人の手形のようなものがつき、その下の木の板もベコベコに凹んでいました。
その後先生はもちろん健太も、二度とそのお寺に近寄ることは無かったそうです。
その三ヶ月後、寺は取り壊され、宿泊施設が建ったとか。
先生はそう締めくくると、全員の顔を見渡しました。
「残念な事にこの話にはまだ続きがある。」
「あの寺が取り壊された後に出来た宿泊施設ってのがな、今俺達が泊まっているこの宿なんだよ。」
部屋が静まり返りました。
「未だに噂があるらしい。夜になると部屋の扉を叩いて回る霊が出るってな」
今日私たちが泊まった宿は、いつもの旅館とは違い、山の奥にありました。
「だから言っただろ。何が起きても知らないって」
先生はそう言って肩をすくめました。
この怖い話はどうでしたか?
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- 先生は参加してないのに今いるこの宿って変じゃない?南無
- な?俺の言った通りだろ?とー
- 何故 あの宿に泊まっているだ?!百目鬼
- 吉備津の釜の派生あ
- これは怖いなw望愛
- 先生…子供たちが可哀想です…たま
- 怖い、、トイレ、いけない、ボルケーノ
- かなりのやり手ですね、この先生はwにこ。
- 俺だったらトイレに行けないかも‼︎ブルー
- 頭の良い先生だwはぁと