
中編
コピペ 幽霊だって遊びたい
匿名 3日前
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くの間、タダで夜の遊園地が楽しめるってわけだ。
「それにしてもさ、俺たちの町って、やっぱ、田舎なんだな。『夜景が綺麗』とか、全然ないもんな」
「ああ、大通りのあたりしかわかんねえ。あんまり面白くねえな、これ」
ちょっと予想外。と、その時、もっと予想外の事が起きた。
悠介がそうっと人さし指を上げる。
「おい、俺の気のせいかな。俺たちの前のゴンドラに誰か乗ってる」
そんな馬鹿な、と目をこらす。あ、乗ってる。たしかに乗ってる。
髪の長い女の子が1人で。
「さ、さっきは誰も乗ってなかったぜ。お、俺、降りる」
「バカ。どうやってここから降りるんだ」
そんなことを話してるうちに、その女の子がゆっくり俺たちの方を振り向いて、ニヤッと笑った。
「うわぁっ!」
俺たちは三人固まって、床にはいつくばった。
早く、早く一周して、地上についてくれって、それだけを祈ったんだ。
やがて一周したゴンドラから、転がるように俺たちは降りた。
「あ、あれっ、女の子がいない!?」
健太の言う通りだった。間違いなく乗っていたはずの女の子の姿がどこにもない。
「も、もう、帰ろうぜ。出口どこだっけ」
まずい。方向がわからなくなった。
「とにかく歩け」
メリーゴーランドの横を通過する。と、そのメリーゴーランドがいきなり回りだした。
そしてそのつくり物の馬には、白い服を着た人、黒いガウンを着た人、体が半分すきとおった人など、ようするに、その、なんだ.............、
幽霊たちが楽しそうにまたがっているんだ。
「ひぇ〜っ!」
俺たちが腰を抜けた。その場から動けなくなっちまったんだ。
すると、白い馬にまたがった青白い顔の幽霊が、ニヤッと笑いながら言ったんだ。
【人間ばっかり楽しむな。幽霊だって遊びたいんだ。ヒッヒッヒッ】
それから俺たち、その遊園地に行くことはなかった。
もちろん、塾の帰りにはちゃんと明るい大通りを通るようになったんだ。
ああ、怖かった。
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chat_bubble コメント(5件)
- wwwwwwかい
- wwwwwwかい
- 幽霊遊んでる!!!りんか
- 幽霊は人間ばっかり楽しんで自分も遊びたいって思ってるんですね...。 知らなかった(ーー;)みゆき
- うん。遊んでるね。普通に……紫雲