
長編
暖簾(のれん)の先に
匿名 6日前
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足に赤白のミサンガして、立ってる。
つまり、外に訳わかんないソイツが三人に増えてるって事だ。
それで、リーマンにはその足が見えてなかったのかな。今となっては分からないが、リーマンは暖簾をめくって外に出た。
出るとき、確かに舌打ちが聞こえて、そしてリーマンの変な声がした。
「あっ…? は、なま、あるえべえ…でええええええええぇ…」
ホント、こんな感じ。暗闇にリーマンが消えた。そして、あの足も消えた。
普通、店の明かりで店の前は多少なりとも明るい筈なんだけどな。
そしたら、おっさんが塩と酒瓶持って玄関に来た。早かったわ、手慣れた感じで口に酒を含んで、暖簾と玄関に吹きかけた。そして、塩で玄関の両脇に盛塩?を作って、玄関の外にも一握り払った。
それで、暖簾めくって外に出た。俺と店主も一緒に出たんだが、外には誰もいなかった。
今更だが、ウチの居酒屋は京都の長屋みたいに店が立ち並んでて、通れるのは店の前の細い路地のみ。
店|路地|川
店|路地|川
店|路地|川
店|路地|川
こんな感じで、外の人が五分くらい歩いて大通りか、もう一方の通りに出ないと見えなくならない。
それなのに、三十秒も経たないうちに、リーマンは消えていた。
両隣の店か、川に入れば見えなくなるだろうけど、そんな様子もない。
ホントに、外に出た瞬間に消えた。
そういう事になる。
店主も俺もポカーンなんだが、おっさんだけは震えながら溜め息ばかり吐いてた。
「ああ、くそっ…くそっ…」
ずっと呟くおっさんに、店主が声をかけた。
「あのう、◯◯さん。いったいどういう事なんで? あのサラリーマンのお客さんは何処に消えたんでしょうか…。け、警察とか連絡した方が…?」
そしたら、おっさんは大きな溜め息吐いてから答えた。
「一応、警察に連絡した方が良いが、無駄だ。ありゃあ、この世のモンじゃねえんだ。行方不明で終わっちまう…」
多分、会社か家族から連絡がいってその内警察が来るだろうし、と付け加えた。
一体、何だか分からずビクビクしてる俺に気付いたおっさんが声をかけてくれた。
「兄ちゃんはよく見なかったな。怖い思いをさせてすまん。俺もまさか関東で見るとは思わんかったから焦っちまった…」
どうやらおっさんの話しをまとめると以下のようだ。
おっさんは奈良出身なんだが、昔小さい頃に似たような事が二件続いたらしい。そん時、近所のお爺さんが酒と塩の対処法をとって、近所の人は助かったんだがおっ
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- あのプーさんも大絶賛!? 熊と若者の心温まるハートウォーミングハートフルきらっとプリキュア的ストーリー。お年を召した老人
- 怖い(*_*)うんこりん
- 足元がおしゃれg
- 神隠し、オシャレ。匿名
- えっ?足? 足だけならよくみるよ?雨音