
私の母は一流の仮面作家でした。
その山荘には、母が手がけた美しい仮面が壁を飾り、幼い頃からそれらに見つめられるような居心地の悪さを感じていました。母自身は優しい人でしたが、時折仮面のように感情を隠すことがありました。
私が10歳の頃、母は事故で亡くなりました。それから1年後、義父ができました。義父は母の古い友人で、いつも陽気で人懐っこい、まるで家族のような存在でした。
ある晩、私が自室で寝ていると、母の声が山荘に響き渡りました。驚いて階段を駆け降りると、廊下で義父が青ざめた顔をして立っていました。母は、仮面が不気味に笑っていると叫んでいました。
何が起こったのかと、義父とともに母の部屋に入ると、そこには壁にかけられた仮面が、母の顔に変わっているのを見つけました。その目は恐ろしく笑みを浮かべ、口は大きく裂けていました。
この出来事の後、母は仮面を全て片付けることにしました。しかし、私は大人になり、あの時の母が何を感じていたのかを考えるようになりました。仮面を通して見えた景色には、母の悲しみが映っていたのかもしれません。義父もまた、その恐ろしい光景を目撃していたのだと。
思い返すたびに、仮面の中に潜む影のようなものを感じずにはいられませんでした。仮面は私たちに何を訴えたかったのか、今も謎のままです。
私が思うに、仮面の裏側には、私たちの知らない真実が隠されているのかもしれません。彼らが見ていたもの、その視線の先には何があったのか。息を呑むような思いで、私はその仮面を見つめ続けました。
そして、いつかその答えを知る日が来るのだろうかと、今も考えています。仮面の影が、私の心に刻まれている限りは。
それが、私がこの山荘で過ごした日々のすべてです。
そして、あの時の母の気持ちを思うたび、私は胸が締め付けられるのです。仮面の影は、私たちの心の奥底に潜んでいるのかもしれません。
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