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長編

歩鬼

まなみ 3日前
怖い 452
怖くない 330
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をじっと見ながら。 何だか不気味に思えてきた俺は、お婆さんを追い越すようにして足早にその場を立ち去った。 周りの景色を眺める余裕も無くなってきた。 先ほどから付き纏うこの違和感と、あの不気味なお婆さんの顔が頭から離れない。 が、その時だった。 「やーい鬼っ子、早く上ってこーい」 子供の声。 俺は顔を上げた。視界の先、着物姿の子供が手を振っているのが見える。 あの子供だ。 俺に悪戯をしてきたあの子供。 子供は手を振ると、また直ぐに上へと走り去って行く。 鬼っ子?何だ?何の話だ? 違和感との葛藤もあり、思わずうろたえていると、後ろから人の足跡が聞こえた。 不意に後ろを振り返る。 あのお婆さんだ。 目を見開き、驚愕した顔で俺を見て足を止めている。 どいつもこいつも、何なんだ一体……少しイラっときた俺は、立ち止まりこちらを凝視するお婆さんに思わず声を荒げた。 「な、何ですかさっきから、お、俺に何か」 そう言い掛けた時だった。 「あ、あんたその顔、もしかして遭難しとるんか……!?」 お婆さんが口を僅かに震わせながらそう言った。 すると突然、あらゆる光景が巻き戻される様に、俺の脳裏に先ほどの光景が浮かんだ。 お婆さんが背中に背負った籠の中身だ。 最初に見た時、かごの中身は野菜で一杯だった。 次に、立ち止まっていた俺の前を通り過ぎた時、お婆さんが背負っていた籠の中は、空っぽだった。 そして今、俺の目の前に居るお婆さんの背中には、籠自体が見当たらない。 俺は……俺は……? 自分の顔を震える手で触る。 ざらつく感触。 伸びきった髭。 腕時計が視界に入る。 金具部分が錆付いていて、全ての針が停止していた。 ポケットから携帯を取り出す、が、出発前フル充電されていた携帯は、既に電池切れしていた。 何が何だか分からない、混乱する頭に思考が追いつかない。 次の瞬間、 「うわぁぁぁぁぁっ!?」 俺は腹の底から叫び声を上げ、そのまま意識を失った。 どれくらいたっただろう、気がつくと、俺は病院のベッドに寝かされていた。 医者の話によると、俺は二週間も山を一人さ迷い歩いていたそうだ。 近くに住むお婆さんが、畑作業に出かける時、数日に渡って俺の姿を目撃したらしく、三回目にしてもしやと思い、俺に声を掛けたそうだ。 後から警察が来て、なぜ助けを呼ばなかったのか等、自殺を疑うような聴

後日談:

  • ダラダラと怪談投稿させて頂いております。 洒落怖風には書いておりません。 脚色を交えて書いております。

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  • ホントオマワリはなんの役にも立たない庶民の敵だね。事件解決も、できないんだからさ
    ハオ
  • ループしてるのかと思ったら違った!助かってよかたぁ(°▽°)
    バターオイル
  • 鬼「やーい鬼っ子!」 自己紹介で草
    真実を知る者
  • お巡りは人間の屑、社会のダニ、焼却処分するのが吉
    匿名さん
  • 山怖ですか?不思議で怖い。
    さき
  • 文章に引き込まれた。おばあさんに感謝!
    匿名
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