
長編
幽霊にサンダルを奪われた話
匿名 2015年3月19日
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これは数年前、当時二十歳前半の夏に起きた実話です。
長文ですが、お付き合いしていただけると有難いです。
私は地元の友人に呼ばれ、友人宅へ遊びに行きました。
私と友人は当時、日焼けサロンで肌を焼き、ギャルウケを狙う野郎でした。
日サロで知り合ったギャルとも仲良くなり、友人宅でギャル2名、私と友人2名で宅飲みしようってなったので、その夜は飲んで他愛もない会話を楽しんでいました。
酔いも覚めつつ夜中の12時頃、夏のせいか心霊話になりました。
怖がるギャル達を横に、友人がこれから地元の心霊スポットへ行かないかという話になりました。
友人は何度か行ったことがあるらしく、他の地元友人もあそこはヤバイ、本当に見た、と嘘か本当かわからないことを言っていました。
私は霊感など全くなく、幽霊などただの疲れから来る錯覚くらいにしか思っていませんでした。
怖いもの見たさ反面、私は心霊スポットへ今まで行ったことが無く、軽い気持ちで嫌がるギャル達を説得し、地元の心霊スポットへ私の車で向かいました。
場所は、S県○町‥廃墟旅館
駐車場に車を停め、懐中電灯を頼りに目的地へ着いた途端、ただよらぬオーラに敷地内へ入ることを躊躇してしまうほどでした。
敷地内へ入ることを拒むかのようにロープが張り巡らせてあり、手入れをしていない植木、年季が入った旅館と思しき建物、幽霊は信じていませんでしたが、正直帰りたいと思いました。
しかしギャル達を横にビビってると思われたくなかったので、私と友人は先陣を切って敷地内へ入り、怖がるギャル達を気にしながら誘導していきました。
敷地内へ入ると、目の前に玄関と思われる大きな木材スライド式な扉がありました。
友人は何度も行ったことがあるので躊躇なく扉を開けようとしましたが、普段開くはずの扉が腕一本通る程しか開きません。
※腕一本通る隙間が空いてるので鍵が掛かっていないのは確かです。
友人「おかしいな〜、いつも開くはずなのにな〜」
私「お前ら(地元の悪友達)いたずら多いから誰か入らないように細工してあるんじゃない?笑」
友人「そんな筈はない、この前も来たばっかだぞ?」
私(内心)「お前らどんだけ暇やねんッ!」
アホな友人にツッコミ入れたいとこですが、怖がるギャル達とこの雰囲気を壊したくなかったので1人で苦笑してました。
深夜ここまで来て何もしないのは割りに合わないので、友人と私は開くはずの扉を思い切り開けようとしました。
ギャル達「もういい加減怖いから帰ろ〜、嫌な予感がする」
ギャル達が発した発言の直後、嫌な予感は見事に的中しました。
友人が腕一本通る隙間に右手を入れ、私は左手で逆方向へ扉を開けようとしていました。
無意識に私の視線は友人の右手を見ていました。
暫くすると腕一本通る隙間からすぅ〜と手首が出て「パチンッ」と友人の右手を叩く音が鳴りました。
友人「?‥わぁぁぁぁぁぁ〜ッ…」
私「?.?‥?…わぁぁぁぁ〜ッ」
ギャル達「なに⁉︎なに⁉︎‥なんで逃げてんの??‥待ってよ!!!…」
友人と私はギャル達に一切構わず我先にダッシュで逃げました。
逃げる最中私は何もないとこでつまずき、足に傷を負いながら無我夢中で私の車が置いてある駐車場へ走りました。
友人は先に駐車場へ着いていました。
友人「手に何か当たった!、手に何か当たった!!」
私「ここヤバイよ…もういいだろ‥帰ろう…」
ギャル達が友人と私のもとへ遅れて寄り添うように泣きながら戻ってきました。
ギャル達「なんで逃げんの?、なんで私たちを置いて行くの?、ホントサイテー、、、変なの見たんだけど…てか転んだときなにもない?、大丈夫…?」
ギャル達の質問に若干の違和感を感じつつ友人と私はギャル達にひたすら謝りました。
男たるもの女性を置いて逃げてしまうとは情けない、、、
ギャル達がやっと落ち着いたので私が見たことを友人、ギャル達に明かしました。
不思議な事に隙間から出た手首を見たのは私しかいなかった…
真後ろで見ていたギャル達は、友人と私が扉を開けようとしていた以外に何も変わった様子は無かったので、何故急に逃げ出したのか逆にビックリしたとのことでした。
私が明かした事実を聞いて友人が一番ビビってたのは他ならない。
友人「マジで焦ったー、、、俺幽霊に触られたー…もう絶対来ません。ごめんなさい。」
ギャル達「もう怖いから帰ろ〜、私達も変なもの見ちゃったよ…泣、そういえば、○君(私)転んだとき何か落とさなかった?」
私「なんで?…てか変なものってなに…?、車の鍵もあるし、煙草もライターも全部車にあるから何も落としてないよ。しいて言えば転んだときに、片方のサンダル置いてきちゃったな〜笑」
ギャル達「○君(私)が転んだ時に黒い何かが覆いかぶさって、ギリギリで○君逃げたけど何か持ち去る仕草してたよ…泣」
友人「やばいよ〜、帰ったらサンダル家にあるよ〜笑」
私「友人よ、、、洒落にならないからちょっとサンダル探しに行かないか?」
早く帰りたいのは山々でしたが、お気に入りのサンダルだったこともあり、ギャル達の言葉が怖かったですが隅々まで探しました。
しかし、どこにもサンダルが見当たりません。
いい加減帰ろうと声がしたので帰ることにしました…
怖い思いをして、一人で帰るのはメチャクチャ怖かったので、今日はみんな友人宅に泊まり、明日の朝にもう一度確認しようということになりました。
私は朝から仕事がある為、外が明るくなってから家へ帰り、お昼頃友人が連絡するということで連絡を待ちました。
昼休憩中
友人から電話がきた。
電話越しでもあきらかに動揺した様子が伺える。
友人「サンダルあったよ…」
私「マジか〜サンキュー、どこにあったの?、てか元気ないけど大丈夫?」
友人「俺ら昨日は旅館の中に入ってないよな?、お前のサンダル旅館の中の仏壇の横にあったんだけど、、、」
私「絶対ありえないだろ!笑、、、しかも旅館に仏壇とかありえない!笑」
友人「俺らも入ったことない部屋に○○(他地元友人)が突撃したら部屋に仏壇があったんだよ…何故か仏壇の横にお前のサンダルが落ちてた…
怖くなって買ってきた日本酒とお菓子をお供えして帰ってきた…
気味が悪いからサンダルはあったけど諦めてくれ…」
最初ネタかと思いましたが、友人の動揺振りからして嘘ではないらしい…
おかけでビルケンのサンダルは買ってから1週間でおさらばになりました…泣
後日、他メンバー(地元連中)が私達が体験した話を聞き、その廃墟旅館へ行ったそうです。
仏壇の横にビルケンのサンダル(片方)もあったそうです。
何故か全員針で刺されるように足が痛かったらしく、記念に写真を撮ってたらしいのですが、現像したら辺り一面真っ赤な写真ばかりで、歪んだ顔らしきものもバッチリ映ってました。
あれから私は霊感無くとも、2度と心霊スポットへ行かないと決めています。
毎年夏になるとこの話をネタで話しますが、今でも「サンダルあったよ…」と連絡を寄越す怖いもの知らずな友人達…
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