
長編
ギーギーギギーギギーギーギギー
匿名 2016年10月10日
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私は高校生で寮に入った。
今は実家に帰って暮らししてるけど、夜は窓の外が見られないんだよね。
見られない。
というのも、
寮にいた時、窓の外にあんなものを見てからだ。
今から3、4ヶ月ほど前、私は5階の女子4人部屋で生活していた。
寮は朝7時に朝食で、部活の朝練とかある人は朝練の後で朝食だった。
昼間は皆高校へ行く。
夜、平日は8時、土日祝日は9時半が寮の門限だった。
量に入りたての時、先生から寝るときドアと窓の施錠は忘れないように、窓のカーテンはしっかりと締めること言われた。
前に不審者が出たことがあって、不審者自身の家の窓からいつも女子寮の中を覗いていたことがあったということも教えられた。
そんな話を聞けば気味が悪くて全員が夜は部屋のカーテンを締めた。
変なことが起き始めたのは6月の終わりごろ頃だった。
夏休み前だったので夜4人集まってから夏休みに何をするか話していたりした。
そんな頃だった。
窓の外から音が聞こえ始めた。
ギーギーギギーギ
ギーギーギギー
ドアのきしむ音って言ったらわかりやすいかな。
こんな感じのを何回も繰り返す音。
最近高校や寮の周りでちょっとした工事などが行われていて、その音だろう、と私含め4人とも対して気にしてなかった。
それからというものの、毎晩ギーギーギギーギ……と聞こえるようになった。
1週間ほど聞き続けた時、同室の友人1人(仮にAとする)がこんなことを言った。
「音、近くなってる?」
確かに私も感じた。
ほかの2人(B、Cとする)もそう思ったみたいだ。
B「もしかして、寮に入るときに先生が言ってた不審者とか?」
C「あー、ありえそう」
A「でも逮捕されたんでしょ?」
私「それにしても気味の悪い音だねー」
そんな話をしていた。
その翌日に私は他の部屋にいる友達(Dとする)と話していて、部屋で聞こえる妙な音のことを話題に出した。
私「ねぇ、最近さ、夜にギーギー変な音が外から聞こえない?」
D「え?なにそれー!そんな音聞いたことないよ?」
その瞬間少しだけ寒気を感じた。
Dの部屋は私の部屋の隣の隣。
私たちが聞いたような音は聞いてないという。
私はそのことを夜同室の3人に話した。
すると、3人とも別の友達に音のことを話し、そんな音聞いたことないと言われたらしい。
A「なんで誰も聞いてないんだろ?
寝てたのかなぁ?」
C「でも、音がするのはいつも9時から11時頃でしょ?」
私「その時間なら皆まだ起きてるはずだよね」
1つ違和感に気付くと少しずつ違和感が姿を現してくる。
B「工事の音かなんかだと思ってたけど、つい3日前に工事終わってたんだよね」
A「Bさ、不審者かな?とか言ってたじゃん?でもさ、この寮結構高い塀があるし、出入口の門には常に警備の人がいるから無理があるよね」
C「ねぇ、この寮さ結構背の高い木に囲まれてるじゃん、寮に入るとき先生が言ってた不審者ってどうやって部屋の中覗いてたの?」
B「そりゃ、1階とかならそのまま覗けるし」
私「でも、先生が話してた不審者って自宅の窓から覗いてたんでしょ?背の高い木があったら無理だよ」
ギーギーギギーギギーギーギギー
まただ。
「……………………」
とっさに4人とも口を塞いだ。
話いる間に不気味になって、少し怖くなった。
「なんで今まで気付かなかったんだろ。
わからなきゃ外見ればいいんじゃん!」
思い出したようにそう言ったのはBだった。
スタスタと窓に近寄るBの背中を私たちは3人はぼーっと見てた。
部屋は狭いので窓まで五歩ほど。
Bがカーテンを勢い良く開けた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
カーテンを開けた瞬間Bは後ろに倒れた。
驚いた私達3人はBに駆け寄った。
窓をちらりと見た時何も無かったから、Bの悪ふざけだろうとおもった。
でも、違った。
その目は恐怖に歪み口をパクパクさせるばかりで冗談ではないと思った。
叫び声を聞いた警備の人が集まってきた。
次の日からBは部屋には戻ってこなかった。
警備の人から事情を聞いた高校の先生がBの両親に電話して、Bは病院に連れていかれたようだった。
その晩部屋に残されたA、C、私は怖くて眠れなかった。
何も見なかったとはいえ、Bのあんな姿を見るのは初めてだった。
そうこうしてるうちに、7月中頃。
終業式の日になった。
Bからは何の連絡もなかった。
私達は全員部活に入っているので、基本夏休み中も寮生活のはずだった。
だけど私達3人はそんな気になれず、顧問の先生などに理由を話し夏休みはそれぞれの家に帰った。
夏休み真ん中頃、不気味な音からも寮からも開放された私の家に初めてBの親から電話がかかってきた。
「もしもし……Bの母です。
(私)ちゃ……ん?Bねぇ…病院に運ばれてから正気が戻ら…くて……と入院してたんだけど、昨日……わけの……わから……こと言って……んじゃったの…………」
話を聞いて青ざめた。
Bが死んだって?
……………………………………
それからは忙しかった。
お葬式に、通夜に。
焼香のとき棺桶の窓は空いていなかった。
全て終わり落ち着いてきた頃、Bのお母さんがBと同室だった私達3人を家に呼んだ。
そこで一通の手紙を渡された。
「(私)、A、Cへ。
まどの外にきをつけて
あいつが来る
あいつが来る
まどにしき詰まるにくのかたまり
--・-・
--・-
っていってる言ってるいってる」
文字が安定していない。
Bがおかしくなったのがわかる。
私達3人は寮にはもう戻らなかった。
かなり遠かったけど家から高校に通った。
窓の外はBの手紙を読んでから見ることが出来なくなった。
手紙には実は絵もついてた。
本当にBが描いたのか目を疑うくらいリアルに。
Bか描いたのは寮の窓。
窓いっぱいにギュウギュウに押し込めたような潰れた体たち。目は飛び出て、手足はありえない方向に曲がり、中のグチャグチャが窓に隙間なく敷き詰められた絵。
絵の中の肉の塊の目は私達3人としっかりと目が合った。
その目はどことなくBに似ている気がした。
なんでそんなこと思ったんだろうね?
そういえばこの寮、海近かったなぁ……
後日談:
- --・-・ --・- なんて言ってたと思う?
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