
中編
1-2の地上面
匿名 2021年5月27日
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俺が小学生の頃の話。
そのときは「ファ●コン」が全盛期だった頃。
僕の家にはゲーム機がなくて、友達の家で友達数人がゲームをしてるのを見てるのが好きだった。
「見てるのが好き」ってのは、僕は下手クソだったからほとんどやらせて貰えなかった。
そのなかで大好きだったのは「スーパー●リオ●ラザーズ」という超有名ソフト。
いつも色々な新しい面を友達がプレイしていて、僕もやってみたいなって思っていた。
そんなある日のこと、友達といつものように遊ぶ約束をしていてたまたま早く友達の家についた。
友達の家の人に一声かけて友達の部屋に上がると、そこには誰もいなかった。
友達はまだ帰っていないのかなとか思いながらしばらく待っていた。
しばらく待っていて退屈になると、目の前にあるゲーム機に目がいった。
そこには大好きな「スーパー●リオ●ラザーズ」が挿入されていた。
「少しだけやってみようかな。友達が帰ってきたらやめればいいし。」
そう思い、ゲームの電源を入れた。
チャラチャ♫チャラ♪チャ♫チャ♫
楽しげな音とともにゲームが始まった。
当時はテレビでゲームができるってのは画期的なもので、自分で画面のキャラクターを動かせることに興奮が止まらなかった。
ほとんどプレイしたことないので何回かゲームオーバーになったが、そのうちコツを覚えてきた。
そして1-1面をクリアすることができた。
そのあと1-2面がスタート。
普段友達はここで土管に入り地下の面に行くんだが、僕は逆に地下に行かなかったらどうなるのか試してみたかった。
そして僕はジャンプで土管をよけて、土管を飛び越えて右に行った。
すると、そこは見たこともない世界だった。
犬みたいなモンスターがいたり、骸骨みたいな不気味なキャラクターがいたり。
僕はこれをみて「だからみんな地下に行くんだ!」って思っていた。
案の定難しいステージで、敵にぶつかって1ミスの曲が流れ「あーあ。死んじゃった!」と思っていたら、何故かキャラクターが死ななかった。そのあと何回敵に当たっても1ミスの曲が流れるだけでキャラが死ぬことはなかった!
「こりゃいいや!」
と思いゲームを続けた。キャラが不死身なのでゲームが下手な僕でもどんどん進められる。
さらに時間制限もなく、いつまで経ってもゴールがなく、1-2のまま地形が変わったり、城のような面に入ったりしていた。
どんなに敵にぶつかっても、穴や溶岩に落ちてもキャラは不死身だった。
僕はキャラが可哀想だなって思っていた。
すると、その次に敵にぶつかったとき
「おい、いい加減にしろよ!」
という大人の男の声が聞こえた。僕は振り向いたが部屋には誰もいない。
「お前に言ってんだよ!何度も死ぬ方の身にもなってみろよ!」
僕はテレビの方を見ると、ゲームのキャラクターが何故かこっちの方を見ている。そして
「お前なあ!」
と怖い声がゲームの中から聞こえ、ゲームのキャラが僕を睨んでいた。
僕はゲームの電源を切り、逃げるように家に帰った。
翌日、友達にその話をすると
「え、お前昨日来なかったじゃん!」
と言われた。僕は先にきたことを説明しても
「俺は真っ直ぐ帰ったし、お前が来たこととか親から聞いてないけど?」
とまで言われたり。
あとで分かったけど、あのゲームで1-2を始めると強制的にキャラが動いて地下のステージから始まるので、地上ステージをすることなど不可能らしい。
最近、あのゲームのアンダーカバーとして、特殊な操作をするとバグったステージをプレイできるとか聞いたけど、それも元々あるデータのキャラしか出てこないので、犬とか骸骨のようなキャラクターとか、本編にもアンダーカバーにも似てないあの特殊なステージ構成は説明がつかない。
そして、横向きのドットしかないキャラクターが僕の方を見て喋ったことも。
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