
長編
前職の職場
けぴち 2020年9月4日
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数年前に辞めた職場で実際にあった話
私が勤めていたのは東海にある支店の一つで、あまり広くないが会社の持ちビルだった
7階+地下があって、お客さんというか社外の人もそこそこ訪ねてくることが多い会社
最初に変な事が合ったのは地下の倉庫
部屋がいくつかあって、センサーで明かりがつく部屋が半数以上合った
ただ、エレベーターが地下には通ってなくて書類とかの保管がメインだったので、手が塞がってると電気がつけれないからと実用的な感じ
最初は気のせいかな?って思ってたのだが、誰もいない部屋の電気が勝手につく
倉庫だから地下への扉は実は鍵が必要で、施錠できないと困るので、電気のついてるところに声をかけて鍵の受け渡しをするんだ
声をかけても確認しても誰もいなくて、誤作動かなっていつも思ってた
違うって気がついたのは、地下への鍵を開けて階段を下ったら、センサー付きの部屋の電気が開けてもないのに一斉に着いた
一緒に来てた同期がマジ泣きしだしたので、自分は冷静になって、上に報告
しばらく黙りこんだ上司が一言「二人はもう地下へ荷物運ばなくていいわ、それも別の子に運ばせるから」
上司の顔色は真っ青だったのを覚えてる
他の人にも探りをいれたけど、半数以上には笑われ、一部の人は黙りこんで話してくれなかった
次に起こったのはどこで付いたのかわからない手形
その会社は制服があって、下が暗い色(黒とか紺とか)なんだけど入って半年くらいかな、地下へいかなくなって半月くらいだったと思う
真っ白の多分、幼稚園に入園前後位の子供の手の平っぽい手形が膝辺りについてた
気がついたのは私じゃなくて同僚
「あれ?今日子供連れの来客でもありましたか?」って聞かれた
まぁ、急に変なこと言われたので、回りにいた他の同僚たちも唖然
なんで?と聞いたら私の膝辺りを指差して「それ、子供のイタズラじゃないんですか?」って
くっきりと手形だとわかるものが残ってた
ほこりとかで白っぽくなることがあると思うんだけどあんな感じ、手にほこりが着いたまま触ったって感じの手形
ゾッとした
来客に子供なんていないし、その日指摘されたのは昼休み直前
私は始業時からデスク付近を移動したくらいで、職場から出てもいない
その会社は朝礼で身だしなみチェックがあるので、始業前に着いたなんてことはないって全員が知ってる
指摘した人以外は誰もしゃべれなかったし、私に至っては動くことも出来なかった
昼休みに入るチャイムがなった瞬間ロッカールームにいって急いで着替えた、めっちゃ怖かったしね
その日はそのまま、でもそのあと週に一回か二回その手形が出るようになった
この辺ですでにノイローゼ気味
最後に辞める切っ掛けになったこと
来客用のエレベーターが終業後に勝手に動くことに気がついた
エレベーターが二基あって、来客でも使える表側のものと、出退勤に主に使われる裏口側のもの
広くないから警備員なんてものはいなくて、最後に出るメンバーが鍵のチェックをするのが当たり前だったんだけど、最上階は来客用の会議室があるのでエレベーターを出ると給湯室辺りに設置されてるブザーって言うのかなが鳴るようになってた
で、実は女性事務員のロッカールームがその給湯室付近にあるので、7階のチェックは最後の女子社員の役割だったのね
位置関係的には来客用のエレベーター、会議室がふたつ、廊下に扉があって、その奥に給湯室、女子社員用ロッカールーム、社員用エレベーター、非常階段って感じ
着替える前に会議室と周りの施錠確認して、エレベーターが一階になければ一階におろして、廊下の鍵を閉めて、給湯室のガス線や電気の確認をして着替えるのがいつもの流れ
で、いつも通り確認をして帰るためにエレベーターを待ってたらピンポーンって鳴った
このフロアに誰かが来たって思ったよ
その瞬間ざっと血の気が引いた
その日は残業をしていて時刻は既に23:00過ぎ
一緒に残業をすることになった鍵管理をしている上司と私しか既におらず、上司は2階の男性のロッカールームにいるはずで、確認終わったて着替えたので下に降りると正に今電話をしたばかり
1階の事務所(鍵を預けるため)にいるからと返答をもらって帰宅しようとしているのに………誰が来るのだろうか
誰かは分からない、一人で確認することはとてもじゃないけど出来なく、タイミングよく来た従業員用エレベーターで1階へ
上司に説明し、1階の表のエレベーターを一緒に見に行くと……7階にある
この時点で確認とか無理と思いつつ、上司もびびっていたため二人でエレベーターを一階に呼ぶ
誰も乗ってない
恐る恐るびびってる二人で乗り込み7階へ
誰かいるのかと呼び掛ける
返事はない
二人しておっかなびっくり確認のため降りる
会議室ふたつと廊下の扉には鍵がかかってる
書いてないけどトイレもあるから男女共に二人で確認
誰もいなかった
誤作動が起こったに違いないと、お互いに言い聞かせるように言って、二人とも血の気が引いた顔で急いで降りて帰宅した
でもその10日後くらいにまた残業
その日は女性上司で一緒にロッカールームに行き、確認、着替え、さぁ帰ろうというときに
ピンポーン
思わず「ひっ…また」と言ってしまう
女上司は物怖じせず「誰か残ってるの?」と廊下の鍵を開けてエレベーターを確認
怖いので後ろをひょこひょこついていく私
エレベーターは7階にある
内心でさっき一階におろしたじゃん!なんで?と半泣き
女上司は鍵を持ったままなので遠慮なく全部屋を開けて確認
勿論誰もいない
女上司は黙りこみ、少し考えたあと「さ、帰るわよ」と再度施錠し、従業員用エレベーターで1階へ、出入り口のセキュリティを確認し、難しそうな顔をして一言
「○○さん、気にしたら駄目よ?」
真面目に笑ってない目で言われた
とてもじゃないけど続けられる自信がなくなり私は前の職場を退社
その後その現象がどうなったのかは知りません
後日談:
- 辞めて半年くらいは同期と連絡を取ってましたが同期も半年くらいで退社したらしく、詳しくは本当に知らないのですが、あれらの現象は忘れた頃にちょくちょくあったみたいです ただ、誰もが口に出すのが多分怖かったのかな?本当に誰も教えてくれませんでした 一回や二回だと気のせいや、こんなことあったって話せますが続くと、ね? 何で今さらこの話を書くかというと、その自社ビルを手放したのか久しぶりに近くを通ったら崩されてて、供養というかたいしたことないんだと言ってもらいたかったのかも……
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