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短編
双子
匿名
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匿名
2016年6月9日
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中学生の頃のことです。

3年生になる数ヶ月前、川の近くの家に引っ越しました。

越した家が通ってた学校の学区外だったので、自転車通学になりました。

あの日は、引っ越してから数週間がたった頃。部活があったりで帰りが遅く、辺りは既に暗くなっていました。

明かりの少ない川の土手を自転車で走っていると、前に誰かいるのが見えました。二人組のようです。

特におかしな所は認められなくても、虫の知らせでしょうか、なんとなく嫌な予感がしたので、早めに通り過ぎようとしました。

二人の間を通った時、二人の声でボソッと

「矯正装置」

という声が聞こえ、思わず振り返ってしまいました。

これが大きな誤りでした。

二人は本当にそっくりでした。身長から服装、背格好までいっしょで、表情も一緒です。

何より、その顔。二人とも無理やり整形して似せたように顔中に縫ったあとがあり、継ぎ接ぎだらけでした。

一瞬時が止まったようにも思えました。

次の瞬間、二人は何の前触れもなく何かが弾けたように全く同じ動きで走り出しました。

まずい。 僕も大急ぎで自転車を発進させます。

必死でこいでいるにも関わらず、僕はすぐに追いつかれてしまいました。

二人は僕を挟み込むように両脇に並走し、何かブツブツと呟きます。

「矯正装置矯正装置矯正装置」

意味がわかりません。四方八方から矯正装置という言葉が聞こえ、気が変になりそうでした。

あまり通ったことがないこの道も、これ程長いと感じたのは初めてです。

声がどんどん大きくなり、頭が痛くなってきます。

もう限界だ。そう感じた時、並走している二人が人のものとは思えないほどの恐ろしい奇声を上げ、気がついた時には僕は宙に舞っていました。

僕が目を覚ましたのは病院のベッドの上でした。右足にギプスがはめられています。

「あっ!○○!」

母がいました。母だけでなく、父も、兄もいました。

どうしたのかと聞くと、僕は軽トラックに撥ねられ救急搬送されたとのことでした。

何があったのかと聞かれたので、全てありのまま話しました。

案の定信じてもらえませんでした。

今では、自分さえも疑ってしまうような出来事です。

結局あの二人が何者なのか、何も分からぬまま事態は僕の勘違いということで収束しました。

あれから僕は違う道を通るようにしています。

だって、自分は勘違いなどではないと思っていますから。

あの双子が今もあの土手を歩いているかどうかは誰も知りません。

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