回上ってもなにも起きなかった。 その帰り道に友達からLINEがきた。 「明日、学校行けるかもしれんから俺の教科書類持って来てくれない？勉強したいんだ。」 僕は頼まれたら断れず渋々学校に戻り教科書類を取って来なければいけなくなった。 四階まで上る途中に、（あれ・・・あいつ、前バッグもってたからその中に教科書はいってんじゃないのか・・・？） と思い、少し不気味に感じた。 足を止め良く良く考えてみると、このパターンは友達と同じだった。 一度学校から出て、また学校に戻り階段を上る。 （まさか） と思うより先に僕は何者かにカバンを掴まれた。体が宙に浮く中、かすかに後ろが見えた。とても見覚えのある姿だった。 それは、友達だった。 （何故ここに？）と思う間も無く僕は頭から地面に落ちた。 意識が遠くなる中、視界に入る友達の顔はとても哀しそうに見えた。 目がさめると僕は病院のベッドの上にいた。学校の先生が大きな音がしたから見にきたら血を流して倒れている僕を発見して病院に連絡してくれたらしい。 先生は僕の顔を見て明るくなったが、すぐ暗い顔に戻った。 「あのな、◯◯（僕）昨日お前が倒れてるのを発見したと同時に◯◯（友達）が亡くなったんだよ。」 と言ってきた。 様々な感情が頭の中をおかしくしてきて、なにも考えれなくなった。 昨日、僕が見た友達は誰だったのだろうか。 最初はただの見間違えだと思ったけど、今は別れる前に会いにきてくれたと思い始めた。 友達が死んだのが事故か七不思議かわからないけれど、僕は友達の分まで長生きすると強く誓った。