中編
初めての金縛り
匿名

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初めての金縛り
匿名
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これは、10年近くも前の事だが、私の周りでは、ある一軒の廃屋にまつわる、実に恐ろしい噂がまことしやかに流れていた。ある日のこと。「俺さぁ、そうゆう所に行ったことがないんだよな。今度案内してくれよ」遊びに来ていた友人の柴山が、そんな事を言い出した。「何からこれから行ってみるか!」若い者が集まれば、自然と流れはそんなっていく。車二台に分乗し、郊外に立つ廃屋を目指して出発した。
一緒についてきた女性陣は、幽霊屋敷に踏み入れることを固くなにこばみ、結局、私と柴山の二人で入る事になった。その家には、何度か行ったことがあった私は、まるでガイルのように柴山を案内して家中を歩き回った。「まだ夕方だけどさ、なんかこう、言い知れぬ嫌な感じがあるな……」
霊感ゼロだと豪語する柴山でも、それ得有の気、は感じるらしい。
その場は何事もなく廃屋探訪をすませ、その後みんなで食事をして解散した。「なんだかすごく嫌………すごく嫌な感じがする
。」家に入っても膝を抱え、彼女は、1点を見つめたまま。「あたしには霊感なんかないと思う。でも何か嫌!すごく嫌」彼女が心配になり、私はそのまま泊まる事にした。終始「何かが嫌だ」と言っていた彼女だが、隣ですぅすぅと寝息を立てている。(もしかして、あの家の気を食らっちまったかなぁ………)ふと私がそんな事を思った時だった。「うっうっうっ……ギャーーーーッ」突然、彼女が叫び声をあげた。
「びっくりしたぁ!どーした?!」
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